スポーツトレーナー鴻江寿治氏が解説 西武・今井は投球の常識覆す背筋で投げる超脱力フォーム
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西武・今井達也投手(26)は、なぜ超脱力フォームで球速160キロに迫る速球を投げられるのか。23年1月から福岡県久留米市内での自主トレで指導するスポーツトレーナーの鴻江寿治(こうのえ・ひさお)氏(58)がスポニチ本紙インタビューに答えて解説した。従来の概念を捨てた「腕」ではなく「背筋」で投げる極意とは。(取材・構成 福井 亮太)
――今井投手が脱力フォームで150キロ後半を出せるのはなぜ?
「“あし体”の今井君はコンパクトに切れよく、小さな動きの中で大きな力を生むタイプ。キャッチボールみたいに、どれだけ小さな動きで投げられるかが大事。足の運びで一番の力を生かせる体勢をつくり、かかとから地面反力で背筋を中心に体の力をボールに伝える。軌道は、下から投げ上げるシュート回転になる」
――腕には力を入れなくていい?
「腕を使う意識を持っていないので脱力に見えているだけで、背筋には凄い負荷がかかっている。腕は振るというより、付いてくる感覚。でんでん太鼓のような動きに似ている」
――どこに力を入れているのか。
「かかとから背筋にかけての軸で力を使っている。軸をどこに持っていくかが重要。例えば鉄棒と電柱とは太さと軸の強さが違う。背筋の軸がしっかりすればするほど良い。背中で押し込むイメージを持って、回転する時に手が遅れて付いてくる。野球の世界ではあまりない考え方」
――脱力フォームになった要因は?
「体の構造が“あし体”なので背筋の力をいかに使えるか。腕の力は一切いらないという話をしている。ボールが離れる瞬間は力が入るが、腕を振るとかボールを押し込むという概念はない」
――歩幅が狭くなっているように見える。
「並進移動で力を生むより、むしろ体の前後の動き(かかと→爪先→かかと)で力をためる。そのことに気付いてからは制球力が生まれた」
――本人はセットに入る時の姿勢を凄く気にしている。
「立ち方でどのようなボールが行くかが決まっているという教え。あとは自然と体を動かすだけ。最後の指先の調整がないので、より脱力フォームに見える」
――投手なら自然と力が入ってしまう。
「勇気を持って力を入れないことができている。立ち方が全てで、そこを信じる。腕に力感があれば打者はタイミングを取れるけど、力が入ってないとタイミングが取れないと思う」
――今井投手も昔は力感のあるフォームだった。
「頭の中を整理できた。めちゃくちゃ勉強熱心。ただ、鴻江理論をやるのであれば全部をフラットにして、子供に返らなきゃダメだという話をする。それを実感している最中だと思う」
――体への負担、ケガのリスクは?
「大事なのは体の素材を生かすこと。力以上のことをやろうとしたらケガする。余計なことはやらない。調味料に頼ることなく、食材を生かしているのと同じ。動きたいように動いているので、ブレーキがなくなってケガのリスクは減る」
――一番得意な背筋を使っているからケガをしない?
「強い部分はぶれない。何でもそうだが、ぶれるから物は壊れる。ぶれなければ壊れない。動きが小さければ小さいほどブレが少ないし、それが球速アップにつながる」
――球速はまだまだ上がる?
「よりロスが少なくなれば、162、3キロはいくのでは」
◇鴻江スポーツアカデミー アスリートトレーナー・鴻江寿治氏が提唱する「鴻江理論」で技術指導。人間の体は猫背型で腕主導の「うで体」と、反り腰型で足主導の「あし体」の2種類に大きく分かれ、タイプに合った体の動かし方をすることでパフォーマンスを向上させ、ケガや病気を予防できる。巨人時代の菅野(オリオールズ)は「うで体」タイプのため腕から始動するフォームを取り入れた20年に開幕13連勝など14勝で最多勝。千賀(メッツ)も師事したことがあり、ソフトボール女子日本代表の上野由岐子は今年も指導を受けた。
≪打者のタイミング遅れ…“幻惑”効果実感≫今井は超脱力フォームの効果を実感している。ゆっくり足を上げてスナップを利かせることで打者はタイミングが遅れる。「スピードだけだとなかなか空振りは取れない。どういうふうに打者をだましていくか」で球速とフォームのギャップを追い求めている。
体を効率的に使うことで球速も維持できる。118球の7回無失点で今季初勝利を挙げた4月4日のソフトバンク戦は7回の111球目に、この試合の最速タイの156キロを計測した。前回11日の日本ハム戦では、7回2死まで安打を許さず8回3安打無失点。3度の登板を終え、対戦する打者の振り遅れが昨季より目立つ。
昨季は187奪三振で初の奪三振王に輝き、今季の目標は200奪三振。14日時点の17奪三振はオリックス・宮城を5個差で追うリーグ2位タイにつける。「まだまだ発展途上。球界を代表するようなピッチャーを目指していかないといけない」と常に上を見ている。
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