元NPB審判員が見た大学№1投手 東洋大・島田舜也はドラ1“当確”の直球と変化量最小限の変化球

[ 2025年4月5日 05:00 ]

<スポニチアンパイア 東洋大・島田>アンパイアポーズを決める東洋大・島田(左)と本紙・柳内記者 (撮影・西川祐介)

 2011年から6年間、NPB審判員を務めた柳内遼平記者(34)がフル装備で選手の成長や魅力をジャッジする「突撃!スポニチアンパイア」。第19回は7日に開幕する東都大学野球リーグを代表する東洋大の最速154キロ右腕・島田舜也投手(4年)。昨秋まで2部リーグで過ごした「隠れた逸材」はスカウトの間で大学球界No・1投手と目されている。

 島田は当企画を熟知している。23年には2学年先輩だった細野が「ジャッジ」された後、日本ハム1位でプロの扉を叩いた。他にも慶大・外丸東真投手(4年)を掲載した回もチェックしており、ブルペン入り直前には「ストレートを見てくれっていう感じです!」と自らアピール。「ハードルを上げて大丈夫か…」と心配したが、軽々と越えてきた。

 1メートル84、93キロ。大木をイメージさせる屈強な肉体を持ち、マウンドに立つと精細さが際立つ。コース、高さともに外角低めいっぱいの直球がコピーしたように続く。球速150キロそのものは高速化が進む現代では珍しくない。島田は投球フォームで最速154キロの直球をより速く見せている。「イメージはゼロからゼロ。その方がリリースでボールをつぶせる」と、キャッチボール程度の力感から剛球を投げ込む。脱力状態から鋭いジャブを放つムハマド・アリのような「ギャップ」こそが空振りを奪える秘密。昨秋は2部リーグで最高殊勲選手、最優秀投手、最優秀防御率を獲得する無双状態だった。

 故・野村克也氏は外角低め直球を投球の「原点」とした。この原点を極めているだけで「ドラ1指名当確」の評価を与えていい。さらに変化球も凄かった。本来、変化球は直球との緩急、変化で打者のタイミングを外していくが、「変化球はいかに真っすぐに近づけるか」と正反対の思考法。カットボールにも直球と同様にホップ成分を持たせ「左バッターの胸元に浮かんでいく軌道」をイメージ。直球との球速差がなく、本塁直前で変化するため見極めは困難だ。

 ツーシームは投手により千差万別。フォークのように落とす投手もいれば、シンカーのように曲げる投手もいる中、「少し(右打者方向に)曲がればいいなというくらい」と変化量を最小限に抑えている。一級品の直球と見分けがつかないほど鋭く、小さく変化する2球種。対戦する東都リーグ5校の打者は木製バットが何本あっても足りないだろう。

 チームは23年秋以来の昇格で、島田にとっては今春が初の1部リーグでの登板。現時点では昨年ドラフトで目玉だった明大・宗山塁(楽天)のような知名度はない。だが、18メートル44の距離で1位競合級の実力を確信した。

 細野をジャッジした際には「柳内さん、低め狭くないですか?」と鋭く突っ込まれ、プロ・アマのゾーン差を記事内で解説した。投球を終えた島田は「結構、高めのストライクゾーンが広いんですね」とニヤリ。当企画の「取れ高」もよく知っていた。

 ◇島田 舜也(しまだ・しゅんや)2003年(平15)4月30日生まれ、横浜市出身の21歳。鳥が丘小1年から坂本レッドジャガーズで野球を始め、領家中では横浜泉中央ボーイズに所属。木更津総合(千葉)では2年秋からベンチ入りし、甲子園出場なし。50メートル走6秒3、遠投100メートル。1メートル84、93キロ。右投げ右打ち。

【取材後記 大学日本代表落選が転機】
 初めて見たのは木更津総合(千葉)時代の2年秋。当時は直球、カーブを操るオーソドックスなタイプだったが、打者と駆け引きできる投手に成長した。

 転機は昨夏。選考合宿に参加しながら大学日本代表に落選した。愛知工大・中村優斗(ヤクルト)、法大・篠木健太郎(DeNA)ら制球力を備える剛腕が選出。「アバウトに投げていた」という直球に対する意識が変わり、考えて投球するようになった。

 気の早い話だが、スカウトに今年のドラフト1位候補を聞くと、健大高崎(群馬)・石垣元気投手(3年)、創価大・立石正広内野手(4年)と並んで島田の名が挙がる。初の1部リーグで実力を示せば、ドラフトの目玉になること間違いなしだ。 (アマチュア野球担当・柳内 遼平)

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