【センバツ】智弁和歌山 福元が「4番の仕事」決勝打 31年ぶりの春頂点へ、横浜と30日決戦

[ 2025年3月29日 06:00 ]

第97回選抜高校野球大会第10日 準決勝   智弁和歌山5ー0浦和実 ( 2025年3月28日    甲子園 )

<智弁和歌山・浦和実>初回、福元は先制適時打を放つ(投手・石戸)(撮影・椎名 航)
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 智弁和歌山(和歌山)は浦和実(埼玉)を5―0で下して2018年以来7年ぶりの決勝進出を果たし、94年以来31年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。4番・福元聖矢(3年)が初回に決勝の先制打を放つなど4安打と打線をけん引。初戦から4試合連続の初回得点は11年九州国際大付(福岡)以来14年ぶりとなった。30日の決勝では昨秋の明治神宮大会覇者で、史上初となる2度目の“秋春連覇”を狙う横浜(神奈川)と雌雄を決する。

 初見の対応が難しい変則左腕にも「初回の智弁和歌山」は健在だった。試合前時点で今大会18イニング連続無失点だった石戸颯汰の立ち上がりを攻め、初回1死二、三塁を演出。4番・福元は、相手の生命線である高め直球を叩いた。右前へ先制打を決め、「一人一人が仕事をした結果」と胸を張った。全4試合で初回に先制し、その全てが決勝点。先行逃げ切りで決勝まで進んだ。

 昨夏の甲子園で初めて挫折を味わった。霞ケ浦(茨城)戦で先発出場も、3三振。守っても拙守と攻守に精彩を欠き、初戦敗退を喫した。責任を感じ、父・伸也さん(49)に初めて言った。「もう野球辞める」。小・中学時代に所属チーム監督だった父から「そうじゃないやろ!」と説得され、「先輩に恩返しするためにプレーする」と甲子園での雪辱を思い描いてきた。

 昨夏の初戦敗退までは順風満帆な野球人生だった。小1で始めた少年野球で80発以上を放ち、高校進学前には数々の甲子園優勝経験校から勧誘が来た。ただ、同校の中谷仁監督だけは口説き文句が違った。「迷うぐらいなら、よその高校に行ってくれ」。その言葉を指導者から伝え聞き、父に「中谷監督を納得させたい」と伝えて智弁和歌山を選んだ。

 同監督には入学後、「ここ一番で打てる打者になれ」と求められた。今春から4番を担い、「おまえが打てば勝てる」とも伝えられた。しかし準々決勝までの3試合は計11打数3安打。「智弁の4番は言葉にできないぐらいの重圧がある」と悩んだ。それが初回の先制打で吹っ切れた。4安打の固め打ち。本領発揮し、昨夏の悔しさまで晴らしてみせた。

 同一大会で初出場校に3度勝利したのは、06年に頂点に立った横浜以来19年ぶり。決勝はその横浜との名門対決になった。「東西横綱対決ではなく、うちは小結ぐらい。ぶつかるだけ」と中谷監督。大一番でも初回から主導権を握るには、4番の働きが不可欠だ。 
  (河合 洋介)

 ○…智弁和歌山は渡辺颯人と宮口龍斗の零封リレーで、浦和実打線を封じた。2試合連続零封勝利は春夏通じて同校初で、同一大会3度も同最多。最速143キロ右腕の先発・渡辺は5回を投げて三塁すら踏ませず「テンポよく抑えることができてよかったです」。3回1死で8番・深谷知希の打球を右足すね外側に受けたものの「目が覚めて、そこからの方がいい球がいきました」と笑い飛ばした。最速152キロ右腕の2番手・宮口もピンチを背負いながら4回無失点と粘投し、「ゼロに抑えて勝ちきれて良かった」と胸を張った。

 ○…智弁和歌山は1回戦の千葉黎明戦から準決勝の浦和実戦まで4試合連続で初回得点。選抜では11年九州国際大付(福岡)以来14年ぶり。

 ○…智弁和歌山は1回戦の千葉黎明、2回戦のエナジックスポーツに続き、同一大会で初出場校相手に3度目の勝利。06年優勝校・横浜の4校(履正社、八重山商工、岐阜城北、清峰)以来19年ぶり。

 ○…智弁和歌山・中谷仁監督は21年夏の甲子園大会も制しており、蔦文也監督(池田)以来3人目となるプロ野球出身監督の春夏甲子園優勝を目指す。中谷監督は智弁和歌山の捕手としても97年夏の甲子園大会でも優勝しており、選手として優勝を経験した元プロ監督が春夏甲子園制覇なら初となる。

 ○…智弁和歌山が浦和実に勝利し、同校は埼玉勢との対戦を春夏通算3勝0敗(03年春3回戦○7―6浦和学院、11年夏1回戦○11―1花咲徳栄)とした。

 ○…ともに全国屈指の強豪として知られる智弁和歌山と横浜だが、過去の甲子園での対戦は94年選抜2回戦1度のみ。その時は智弁和歌山が10―2で横浜に勝利しているが、今回はどうか。

 ○…智弁和歌山は春通算31勝目。単独11位に浮上。

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