【センバツ】聖光学院が早実撃破で8強 竹内「ババ」との約束の聖地で3安打3打点

[ 2025年3月26日 05:00 ]

第97回選抜高等学校野球大会第8日 2回戦   聖光学院7―4早実 ( 2025年3月25日    甲子園 )

<早稲田実・聖光学院>7回、聖光学院・竹内は勝ち越しの左前適時打(撮影・井垣 忠夫)
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 2回戦3試合が行われ、8強が出そろった。聖光学院(福島)が7―4で早実(東京)に逆転勝利。主将で4番の竹内啓汰外野手(3年)が決勝打を含む3安打3打点で、13年以来12年ぶりの準々決勝進出に導いた。初出場の浦和実(埼玉)、智弁和歌山も8強入り。26日に準々決勝4試合が行われる。

 「ババ」と呼んだ祖母が、背中を押してくれているようだった。「自分の力というより、本当に力を出させてもらった」と竹内。昨年8月、電話で「活躍する姿を願っているよ」と励まされたのが、祖母・清子さんとの最後の会話だった。21年に胃がんを宣告されて闘病生活。「啓汰が頑張るから、ババも頑張るね」と聖地で孫を見るために力を振り絞っていたが、9月2日に75歳で旅立った。

 約束の甲子園。初戦の6番から4番に打順を上げ、勝負強さを発揮した。3点を追う4回無死一塁から、左翼線適時二塁打で3得点の同点劇を演出。同点の7回1死二塁では、決勝打となる勝ち越しの左前打を放った。8回にも中前適時打し、3安打3打点で12安打7得点の打線をけん引。2戦連続逆転勝利での12年ぶりのベスト8進出に導いた。

 実家は東京・武蔵村山。祖父母の家までは徒歩5分で、清子さんとは幼少期からよく遊び、手料理を食べ、試合の応援にも来てくれた。高校は「憧れた」と福島の強豪へ。東京、そしてババから遠く離れた。昨年9月、父・周司さん(50)から訃報を受けると「絶望っていうか、もうどうしたらいいのか何も分からなかった」。それでも、ババとの「頑張る」の約束を守ると心に決めていた。

 祖母は01年まで早実の校舎があった早稲田に近い、高田馬場育ち。その早実を破って、福島勢は甲子園で東京勢に6戦全勝となった。三塁側アルプス席で、清子さんの遺影を抱えていた父は「母をここに連れて来ることができました。きっと見届けたと思います」と孝行息子を誇った。

 竹内は青空を見上げない。天国にババがいるとは思わない。「近くで見てくれていると信じている。いつもそばにいる」。東北勢初の選抜の頂点へ、最後までババと一緒に駆け抜ける。 (柳内 遼平)

 ◇竹内 啓汰(たけうち・けいた)2007年(平19)5月21日生まれ、東京都武蔵村山市出身の17歳。小1から武蔵村山サンダースで野球を始め、中学では瑞穂リトルシニアに所属。好きな言葉は「不撓(ふとう)不屈」。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

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