令和の「審判記事」に異変あり…「元NPB審判員系」インフルエンサーの登場で情報革命

[ 2025年3月10日 07:00 ]

<オープン戦 オ・De(2)>2回、投球動作の変更でボークを取られ、三塁審判・福家に抗議するバウアー(撮影・井垣 忠夫)
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 まだ記者がNPB審判員だった10年以上前の話。その頃はある分野の野球記事に首をひねることが多かった。判定において、選手・監督と審判がトラブルになると、記事の矛先は必ずといっていいほど、当該の審判員に向けられた。規則や運用的には審判員が正しいときも、いつも記事の中で悪者は審判員だった。 

 メディアばかりが悪いわけではない。一昔前の審判員はメディア対応を十分にしていたとはいえないからだ。試合後、記者からトラブルについて問われても、コメントが都合よく切り取られることを警戒して発言を控えていた時期もある。思いをぶつける選手、監督側の意見がメディアにおいて尊重されることは当然の流れだった。

 ただ、選手や監督はルールに詳しくない場合もある。あくまで選手はプレーのプロ、監督は指導のプロであり、規則書や審判マニュアルを読み込んだ人ばかりではないだろう。選手や監督の論調を元にした記事は、時にはルールを熟知している人にとって、とんちんかんなものもあった。

 だが、令和になり変化が起こった。ルールが絡む「とんちんかん」な記事が激減したのだ。「元NPB審判員系インフルエンサー」として活躍する坂井遼太郎氏(39)の登場が転機だった。同氏は07年にNPB審判員となり、18年の退職後は「スポーツナビ」、「データスタジアム」の協力のもと、大学野球の無料配信&速報を発展させる事業に取り組んでいる。そして、3万3000人のフォロワーを抱えるX(旧ツイッター)では野球規則について、積極的に発信を続けている。

 9日には「バウアーのボーク騒動」について解説すると、投稿のインプレッションはあっという間に100万回を超えた。坂井氏はXの投稿の他、報道リアリティーショーの「ABEMA Prime」に出演するなどして、野球規則の浸透に貢献。そのかいあってか、今では野球規則における選手目線だけの記事は激減している。

 SNSが高度に発達した令和の時代はさまざまな分野でインフルエンサーが活躍。でも、「元NPB審判員系」インフルエンサーが登場する未来は予想できなかった。(記者コラム・柳内 遼平)

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