江川卓氏 今も悔いが残る41年前の球宴 「10個目どうしようかなぁ~」の“邪念”で大石大二郎に…

[ 2025年3月9日 17:35 ]

江川卓氏
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 BS25周年共同企画「今、BSが伝える野球」は8日、BS日テレで【第三夜】の「昭和・平成・令和の巨人ベストナイン~最強選手の最強伝説~」が午後7時から2時間特番で放送され、元巨人エースの江川卓氏(69)がVTR出演。今も語り継がれるオールスター戦での8者連続奪三振について“秘話”を明かした。

 タレントの中山秀征(57)を中心に元木大介(53)、ビビる大木(50)、「純烈」後上翔太(38)による“ファン目線”で巨人の歴代ベストナインを決定する番組構成。随所で巨人現役選手が選ぶ歴代ベストナインも発表され、有名OBへのインタビューもオンエアされた。

 そのなかでインタビュアーから“プロ野球人生でのベストピッチング”について聞かれた江川氏。

 これに「やっぱり…皆さん記憶にあるかどうか分からないんですけど、オールスターの8連続三振ってのが…」と1984年のオールスター第3戦(ナゴヤ)で記録した8者連続奪三振を挙げた。

 4回から2番手として登板し、中尾孝義(中日)とバッテリーを組んだ江川。最初の打者・福本豊(阪急)から簑田浩二(阪急)、ブーマー(阪急)、栗橋茂(近鉄)と三振の山を築き、最大の難関と思われた5人目の落合博満(ロッテ)も三振に斬って取った。

 「ここをクリアしたんで9人いくな、と思いました」

 当初は2回で降板する予定だったが、石毛宏典(西武)も三振で6者連続となったため、全セ・王貞治監督の判断で3イニング目も続投。1971年のオールスター第1戦(西宮)で江夏豊(阪神)が記録して以来2度目となる9者連続奪三振に期待が高まるなか、伊東勤(西武)、クルーズ(日本ハム)も三振に斬って取った。

 そして、9人目の大石大二郎(近鉄)も直球2球で2ストライクに追い込み、あと1球。だが、中尾のサインに首を振って3球目に投じたカーブをコツンと当てられて同僚・篠塚和典のところに転がる二ゴロとなり、タイ記録を逃した、当時は、なぜカーブを投げたのか?直球なら三振だったはずだ…などと専門家からもファンからも大きな議論を呼んだ。

 6者連続の時点で顔をしかめてベンチに手を振り、3イニング目を“辞退”する素振りを見せていた江川氏。だが、それはポーズで「いいと言いながらやってみたいなと思いました。思いましたよ、そりゃ。めったにないですもん。いいですと言いながら行きますという感じですね」と懐かしそうに回想した。

 だが、そもそも江川氏本人が当時狙っていたのは9者連続ではなく10者連続奪三振だったという。

 「もしかしたら10個いけるかもっていうのが。落合さんをスルーした時、思ったんですけどね。漫画みたいな世界なんですけど、三振を取ってキャッチャーが後逸して…。それだとプラス1になるので。10個は取れるっていうのは知ってましたから」

 規定で投げられるのは最長3イニングまで。9連続奪三振が最多と思われがちだが、三振したボールを捕手が後逸して振り逃げとなれば1イニング4奪三振は可能だ。それを知っていただけに“江夏超え”の10者連続奪三振をもくろんでいた。

 だが…。

 「大石さんって凄く当てるのが上手なバッターっていうイメージだったので。代打を出してくれないかなと思ったんです」。大石は身長166センチと小柄でバットを短く持ち、コツコツと当ててくる好打者。そして、見事に外角カーブを当てられた。

 大石を2球で2ストライクに追い込んだ時点で「9個は取れると思ってますから。もう確定なんですよ。大石さんには申し訳ないんですけど、9個は確定なんですよ。ボール3つ以上投げれますからね、ヘタすると」と自信満々。だが、そこに心の隙が生まれた。

 「10個目どうしようかなぁ~」

 まだ大石と対戦しているのに、早くも気持ちは球宴初の10者連続奪三振へ。「迷いながら投げた一球なんです」とカーブを当てられて10連続どころか9連続もならず、8者連続奪三振で終わったのだった。

 “邪念”は「相当あります」と苦笑いの江川氏。「凄く悔いの残ったオールスターでしたね」と話していた。

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