【内田雅也の追球】「健康」と「ヘルシー」

[ 2025年2月28日 08:00 ]

ライブBPを終えた阪神・岩崎(右)とタッチをかわす藤川監督(撮影・須田 麻祐子)
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 朝、宜野座村内を散歩していると、年配の男性から声をかけられた。

 「毎年、歩いていますね。見ていましたよ」と笑顔でいる。そうか、見られていたのか。「歩くのは健康にいいね。健康でいきましょうね」。たがいの健康を祈り、約束して別れた。

 そう、健康が一番である。健康であれば、何でもできる。

 阪神監督・藤川球児が今キャンプ中、最も多く口にしたのも「健康」である。

 この日も「ライブBP」で初めて打者に向かって投げた岩崎優について「健康でいて何より」と言った。

 さかのぼってキャンプ初日、ブルペンで投手陣に向けて笑顔で話しかけていた理由について「2月1日まで健康で来られたことにまず、ありがとうと言うより、おめでとうという意味で」と説明していた。以後も何度も「健康」をたたえ、喜ぶ談話が聞かれた。

 散歩中に聞いた「健康」は病気などしていないという意味だが、プロ野球選手の「健康」は故障がないのはもちろん、体調もよく、投球や打撃の調子もいいといった意味だろう。

 藤川から「健康」という言葉を聞く度、大リーグ取材中、監督からよく聞いた「ヘルシー」を思っていた。現地の野球記者から選手の状態を聞かれた時、監督は「ヘルシー」という言葉を使っていた。

 たとえば2001年、阪神からメッツに移籍した新庄剛志(現日本ハム監督)について、監督ボビー・バレンタインは「ヘルシー」とよく言った。元気はつらつといった語感があった。辞書を引けば、英語「healthy」には第一義に「strong」(強い)という意味がある。

 大リーグ経験のある藤川の「健康」も「ヘルシー」から来ているのだろうと推察している。

 この「健康」を守るため、トレーナーの見解や権限を重視するのも大リーグ流だと言える。

 この日、同じくライブBPで投げた湯浅京己について、藤川は「まだまだ、トレーナーの管轄ですからね」と言った。国指定の難病、胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症から復活を目指す期待の右腕だが「まだトレーナー預かりですから」と冷静にみている。

 藤川が健康第一でみてきたキャンプもきょう28日が最終日。まずは健康を祝って、打ち上げを迎えたい。 =敬称略=
 (編集委員)

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