ダルビッシュ 会見で義兄・山本“KID”さんのTシャツ着用して対応 質問した米記者に自ら英語で説明

[ 2024年10月7日 13:13 ]

ナ・リーグ地区シリーズ第2戦   パドレス 10―2 ドジャース ( 2024年10月6日    ロサンゼルス )

試合後、義理の兄である山本“KID”徳郁さんの写真がプリントされたTシャツ姿で取材に応じるパドレス・ダルビッシュ(撮影・柳原 直之)
Photo By スポニチ

 パドレスのダルビッシュ有投手(38)が6日(日本時間7日)、敵地でのドジャース戦に先発し、7回3安打1失点、3奪三振と好投。注目のドジャース・大谷翔平投手(30)との対決ではカーブを交えた変化球中心の配球で3打数無安打に抑えるなど幻惑し、PSでは2022年10月12日のドジャースとの地区シリーズ第2戦以来の勝利投手となった。これがポストシーズン5勝目で、日本選手では田中将大(ヤンキース)に並ぶ日本投手最多となった。チームは球団新記録となるポストシーズン1試合6本塁打が飛び出すなど打線も13安打10得点と爆発し、1勝1敗のタイに戻した。

 試合後、ダルビッシュは2018年に亡くなった妻・聖子さんの兄・山本“KID”徳郁さんの写真がプリントされたTシャツ姿で会見に登場。自らの好投で1勝1敗のタイに戻したことに「凄く大きいと思います。パドレスのファンの前でサンディエゴで野球ができるのは。0勝2敗でやるのとまた違うと思うので凄く大きいと思います」と話した。

 大谷をカーブなど変化球を駆使して抑えたことには「とにかく球種だけじゃなく、反応を見ながら、セットに入ってから長く持ったりとか、足の上げている時間を変えたりとかそういう工夫をしていました」と大谷攻略の秘訣を明かした。

 会見の最後に米記者からTシャツのことについて振られると「義理の兄で6年前に亡くなりました」と自ら英語で説明した。

 初回の大谷との対戦。カットボール、カーブ、スイーパー、速球と第1打席からさまざまな球種を駆使してカウント1―2と追い込むと最後はスイーパーがやや抜けた形で外角低めに沈み、空振り三振に打ち取った。2番ベッツには初球のスイーパーを捉えられて左翼への大飛球。左翼プロファーがフェンス際でジャンプし、ベッツも一発を確信して一度は手を挙げたほどだったが、実はスーパーキャッチ。打球を眺めていたダルビッシュも安どの表情を浮かべた。3番フリーマンも空振り三振に仕留め、通算6度、12度目のPS登板らしく落ち着いた投球を披露した。

 2回にペラルタの2ランで援護を受け、3―0で迎えた2回は連打と四球で無死満塁のピンチ。7番ラックスに左翼へ犠飛を打ち上げられてこの試合初失点を喫したが、続くエドマンには一塁へ鋭いライナーを打たれたが、運良く一塁アラエスの正面で併殺となった。

 3回1死走者なしから大谷とこの試合2度目の対戦。この打席は徹底して変化球で攻めた。初球のスプリットでファウルを打たせて大谷のバットをへし折ると、2球ボールが続いた後、4球目のスプリットを引っかけさせて一ゴロに打ち取った。前日パドレス投手陣は大谷に対して徹底した高めの速い球で攻めたが、ダルビッシュは第1打席も含めて大谷には全9球で速球はわずか1球と頭脳的配球で仕事をさせなかった。

 4回は先頭のフリーマンに速球を痛打されて右越えに大飛球を打たれたが、これを右翼タティスが背走しながら好捕。ダルビッシュも手を叩いて好守を称えた。T・ヘルナンデス、マンシーも打ち取り、4回まで3度3者凡退と順調にスコアボードにゼロを並べた。

 5回は1安打を浴びながら無失点に抑えると、6回は先頭で大谷とこの日3度目の対戦。この打席も変化球攻めを見せ、カウント2―2から6球目はこの打席3球目の73マイル(約117.4キロ)カーブで完全にタイミングを外してボテボテの投ゴロに打ち取った。2死後にE・ヘルナンデスに中堅フェンス際へ大飛球を打たれたが、中堅メリルが好守を見せてこの回もドジャース打線を封じた。

 4―1の7回は投球前に観客が物を投げ入れて左翼プロファーがそれに抗議し、試合が中断するハプニング。球場が騒然となる中、先頭のT・ヘルナンデスは四球を許すも、マンシーはカーブで遊飛。1死後に二盗を許したが、スミスを三ゴロ、ラックスを中飛に打ち取った。7回を終えるとマチャドを中心にパドレスナインが円陣を組み、士気を高める場面もあった。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

野球の2024年10月7日のニュース