侍強化委員会 井端監督に26年WBC指揮要請へ 昨年アジアCS連覇手腕&将来見据えた編成を評価

[ 2024年9月14日 02:00 ]

侍ジャパン・井端監督
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 侍ジャパン強化委員会が、現監督の井端弘和氏(49)に26年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督を要請する方針を固めたことが13日、分かった。23年10月の就任時に契約は11月の「プレミア12」までが前提と発表していたが、手腕を評価しての要請になる。正式決定すれば、ドジャース・大谷翔平投手(30)らメジャー組を率いて23年に続く世界一連覇を目指す。

 26年のWBCは世界一連覇が懸かるだけでなく、2年後の28年ロサンゼルス五輪につながる重要な大会になる。指揮官には、勝ちながら若い選手をレベルアップさせていくことが求められる。コーチ歴が長かった井端氏は、侍ジャパンの監督就任前から卓越した野球観と指導力に定評があり、昨年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップを連覇した手腕と先を見据えたチーム編成で評価を上げた。

 井端氏には「長く日本が世界一であり続けるには、若い選手がどんどん出てこないといけない」という考えがあり、10年先から逆算する侍ジャパン強化委員会の方針とマッチする。当初は11月のプレミア12までを前提に大会ごとに更新していく契約形式だったが、強化委員会は同大会を前に、WBCの監督要請をする方針を固めた。

(/大学生起用/) 初陣だったアジアプロ野球チャンピオンシップは23歳以下の選手を中心に決勝で宿敵・韓国に延長サヨナラ勝利。スタメンをグループLINEで伝えるなど時代に合ったチーム運営もあり、17年の第1回大会に続く連覇を果たした。3月の欧州代表との強化試合では、明大・宗山、関大・金丸ら、ドラフト指名前の大学生を初めてトップチームに招集。U15日本代表の指揮も兼任するなど、アンダー世代育成に注力していることも評価の対象だ。

 7月には渡米し、プレミア12には招集できないメジャー組も視察した。来年以降、自身が指揮を執るか未定でも日本の監督として「WBC、オリンピックが先にある。日本のために少しでも意識してもらえればうれしい」と献身性を見せた。タイトル争いにも集中するドジャース・大谷とはあえて対面せず「良きタイミングを見計らってお会いできたら」と気遣いを見せた。レッドソックス・吉田、カブス・鈴木、今永、パドレス・松井、カージナルス・ヌートバーらとは対面し、意思疎通を図ってきた。

 古巣の中日は、今季が3年契約の最終年で5位に低迷している立浪監督の去就が注目されているが、OBの井端氏に白羽の矢が立つことはないとみられる。正式にWBC監督就任が決まれば、大谷らメジャー組と国内組の融合が大きなテーマとなる。まずはその国内組を率い、11月のプレミア12で頂点に立つ。

 ◇井端 弘和(いばた・ひろかず)1975年(昭50)5月12日生まれ、神奈川県出身の49歳。堀越(東京)から亜大を経て97年ドラフト5位で中日に入団。荒木雅博との「アライバコンビ」で鉄壁の二遊間を築き、13年WBCに出場。同年オフに巨人に移籍し、15年に現役引退。通算1912安打、149盗塁、248犠打など堅実なプレーでゴールデングラブ賞を7度、ベストナインを5度受賞した。巨人、侍ジャパンのコーチを歴任し、昨年10月に侍ジャパン監督に就任。

 ≪台湾視察から帰国「どんどん良い投手が出てきている」≫井端監督はこの日、11月の「プレミア12」に向けた台湾プロ野球の視察から羽田空港着の航空機で帰国した。10日から4日間の日程で3試合全6球団を見て「中継ぎ投手も球の速い投手がいっぱいいた。バリエーションは豊富。どんどん良い投手が出てきている」と印象を口にした。
 試合会場となる台北ドームと天母球場に足を運び、台湾プロ野球の日本人指導者からの情報収集も行った。昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップでも苦しめられた「火球男」の異名を持つ最速157キロの古林叡煬(コリン・エイヨウ)ら投手力を特に警戒する。「映像と実際見るのとでは全く違う。(情報を)共有していかないといけない」と語り、来月は韓国プロ野球も視察する予定だ。

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