育成のソフトバンクの復活なるか “追い風”に乗って躍動する若手に期待

[ 2024年2月21日 08:00 ]

紅白戦で二塁打を放つソフトバンク・仲田
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 「育成のホークス」の復活はなるか。ソフトバンクの宮崎キャンプで、育成選手のアピールが目立っている。

 18日の紅白戦では川村、緒方、仲田の3野手がそろって存在感を発揮。小久保監督も「育成の子たちが頑張りすぎて、うれしい悩み、いい姿ですね。この2試合は3桁の選手のためにやったところがありましたね」と表情を緩めた。かつては千賀(現メッツ)、甲斐、牧原大、石川ら育成出身選手が次々とチームの主力にまで成長して常勝期の原動力となってきた。だが、直近は台頭するケースが激減している。

 4軍制もスタートさせ育成は現在57選手。支配下選手に近い数まで増えているにも関わらず、厳しい状況が続く。オフの契約更改の場でベテラン左腕の和田が意識の低さについて言及し、メジャーのマイナーチームのようにユニホームを変更する案も挙げたほどだ。

 かつてのような「強み」を取り戻すためには、どうすればいいのか。多人数化したことでさまざまな点で一軍との距離が遠くなったことは間違いない。今季に向けては球団側もあの手この手の策を講じている。昨秋キャンプでは以前までの1、2軍=宮崎、3軍~=タマスタ筑後の横割りから実験的に野手陣=宮崎、投手陣=タマスタ筑後の縦割りに変えた。全体の選手数が少なかった以前のように1軍選手の取り組みを間近で見て刺激を受ける機会を設けた。実際に育成選手が周東から盗塁のアドバイスを聞くシーンも見られた。また大幅に支配下選手の枠を空けた。現在の数は62人。少なくともルール上、7月末までには65人以上にしなければならないことを考えても大チャンスだ。

 2011年の3軍制の初年度に千賀らの育成に携わった倉野投手コーチは「(65人までの)3枠というか選手には(最大70人までの)8枠あると言ってます。こんなチャンスはない。この何年かで初めてじゃないですか。それをどう感じているかですね」と思いを口にした。

 育成選手ら若手にとっては、昨季まで2軍監督を務めて能力を把握してもらっている小久保監督が新たに1軍で指揮を執る絶好のタイミング。4年ぶりのリーグ優勝、日本一奪回へ。“追い風”に乗って躍動するフレッシュな育成出身選手の大暴れに期待したい。
(記者コラム・木下 大一)

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