巨人ドラ1・西舘“満腹”デビュー 10球で3者斬ったクイック3分料理 チーム初の紅白戦先発

[ 2024年2月12日 05:30 ]

紅白戦   白組1―2紅組 ( 2024年2月11日    サンマリン宮崎 )

白組の先発・西舘(撮影・西川 祐介)
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 巨人のドラフト1位・西舘勇陽投手(21=中大)が11日、紅白戦初登板で1回を10球で3者凡退。白組の先発を任されると、持ち前のクイックモーション同様、わずか3分間で無失点に封じた。7日のシート打撃登板時にはフォークの制球に苦しんだが、こちらも短期間で修正に成功。阿部慎之助新監督(44)、球団OBで臨時コーチを務める松井秀喜氏(49)が見つめるダブル御前試合で、快投を披露した。

 わずか3分で予定の1イニングを終えた。宮崎キャンプ初の紅白戦。先発の西舘はオコエを右飛に仕留めると、重信を一ゴロ、若林を左飛に封じた。1軍経験者を10球で3者凡退。「緊張はしたけど、最初の投球練習で落ち着いて投げられた」。常時クイックモーションで投げる最速155キロ右腕。相手打線の料理も驚くほどクイックだった。

 わずか3日間で修正に成功した。初の打者相手の投球となった7日のシート打撃では、フォークを簡単に見極められていた。より直球に似た球質を求めるべく、落差よりも球速を追求。人さし指と中指で縫い目に完全に掛けずに挟んでいた握りを、中指は縫い目に掛ける挟み方に変更した。「何種類もの握りを試した」。ブルペンでの試行錯誤が奏功。この日は、若林を相手に初球に投げたフォークは外れたが、カウント1―1から投じた外角低めの137キロでは空振りを奪った。7日もバッテリーを組んでいた岸田は「前とは違って、真っすぐに近くなっている」と目を丸くした。

 わずか10球でさらに評価を上げた。直球は4球。変化球中心の投球を、ストライクゾーンにテンポ良く投げ込んだ。視察した広島・岩本貴裕スコアラーは「いろいろな変化球で勝負球やカウントも取れていて、凄くいい。全ての球が、見るたびにどんどん良くなっている」と警戒度は高まるばかり。阿部監督も「何でもストライク取れた方が捕手も楽」と目尻を下げた。

 わずかな能力を発揮したに過ぎない。「良かった感覚を忘れないように。少し確認した」。投げ終わった後はブルペンに直行し、18球を投じた。最速は球場表示で148キロ。「この時期でそれぐらいなら良いと思う」と冷静に分析する。「まだまだ抜け球もあった。練習でつぶしていければ」。投球モーションだけでなく、テンポも修正も速い21歳には、わずかな隙も見当たらない。(小野寺 大)

 ▼中日・岩田慎司スコアラー 球種は多彩なので、全部カウント球で使えるし勝負球にもなるというぐらいのクオリティー。狙い球は絞りにくい。

 ▼阪神・飯田正男スコアラー まとまりはありますよ。変化球でストライクが取れる。あとは真っすぐがどれだけ強く投げられるか。

 ≪巨人の主なドラ1投手の紅白戦初登板≫

 ★99年上原浩治 2月21日の紅白戦で先発し、速球を中心に2回を3安打無失点。

 ★04年内海哲也 肩の故障の影響で2月20日の紅白戦で8回から登板。1回を10球、無失点に抑えた。

 ★11年沢村拓一 2月15日の紅白戦に先発し、2回を無安打無失点の好投。最速は149キロを計測。

 ★13年菅野智之 2月16日の紅白戦に先発し、初回はわずか9球で3者凡退。2回は制球が乱れ31球を費やした。

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