西武・森脇亮介 登板翌日に車椅子生活「メンタルがきつかった…」壮絶なリハビリ生活明を明かす

[ 2024年1月25日 08:00 ]

西武・森脇亮介投手
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 ドラマでしか見たことのない光景が、目の前で繰り広げられたという。昨年8月に「右上腕動脈閉鎖症」の手術を受け、懸命なリハビリを続ける西武の森脇亮介投手(31)が、病院での壮絶な経験を明かした。

 昨年7月12日のソフトバンク戦(北九州)で登板を終えると右腕が上がらなくなった。右上腕に血栓が詰まり、携帯電話すら持てない状況に。翌13日の緊急入院すると、病室が慌ただしくなった。次々に医者の数が増え、看護師は「右腕の血圧が取れません」と焦る。森脇は「最初はどうなるんだろうと。5、6人のお医者さんが走って来て、モニターを付けられたり、点滴を入れられたり。ドラマかな、と思った」。右上腕には5センチほどの動脈が詰まっていたため、予断を許さない状況だったという。

 緊急処置を終えたが、待っていたのは車椅子での生活。前日までマウンドに立っていただけに、その落差に心が折れかけた。「ショックだった。ギャップが凄すぎて…。泣きそうになるくらいメンタルがきつかった。何しているんだろう、と」。しばらくテレビで試合を見ることができなかった。

 手術に踏み切るか、薬で治療するか。30歳を超えた右腕にとって人生を左右する決断だった。薬での治療の方が体への負担は少ないが「いつ、再発するか分からない。リハビリを始めてから、再発するかもしれないし。そしたら多分、心が折れるなと」と考えた。手術をしても、以前にように投げられるとは限らないが、根本的な治療を優先して、メスを入れる覚悟を決めた。

 無事に手術を終え、励みになったのはナインや首脳陣からの連絡だったという。豊田投手コーチからは「お前がいないと苦しいわ」と声をかけられた。4年連続40試合以上登板こそならなかったが、昨年も31試合に登板。「“もうチームに必要とされていない”とか考えてしまう時期もあったので、それがうれしかった」と森脇。尊敬するコーチのひと言で、前を向けた。

 昨年11月に育成で再契約を結んで再スタート。現在はキャッチボールを再開しており、3月中のシート打撃登板を目指す。「投げれるように、また1からやっていくしかない。1軍に戻った時は、前以上のパフォーマンスを出せるように」。マウンドでの笑顔を、みんなが待っている。(記者コラム・福井 亮太)

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