大谷ら球界に広がる支援の輪 “お互いさま”の精神が地震被災地の力に

[ 2024年1月11日 07:30 ]

能登半島地震への寄付を表明したドジャース・大谷(本人のインスタグラムから)
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 1月1日に発生した能登半島地震でお亡くなりになった方々に謹んで哀悼の意をささげるとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。

 甚大な被害をもたらした地震の発生からきょうで10日目を迎えるが、野球界では被災地を支援する動きが出てきている。ドジャースの大谷翔平投手は4日(日本時間5日)にド軍と共同で義援金を寄付すると表明した。9日には楽天に所属する石川県出身の島内宏明外野手、小孫竜二投手、松井友飛投手、釜田佳直スコアラーの4人が故郷に義援金を寄付。影響力のある人たちのアクションが、より支援の輪が広がるきっかけになってほしい。

 いまだに被害の全容は見えてこないが、被災地の映像を見ていると13年前の東日本大震災を思い出さずにはいられない。記者は当時、福島県で被災した。ライフラインが寸断され、ひっきりなしに余震が続き、車の中で暖を取りながら何日も眠れぬ夜を過ごした。原発事故も重なり、水とガソリンと正確な情報が手に入らない状況が解消されるまでにはかなりの時間を要したことを覚えている。先が見えない日々だったが「もっと大変な思いをしている人がいる」「生きているだけでありがたい」と自分に言い聞かせていた。

 不安な生活の中で支えになったのが、多くの人たちの善意だった。停電が解消された時、久しぶりにシャワーを浴びた時、何日かぶりに温かい食事をとった時、震災前の「当たり前」の一つ一つを取り戻した瞬間の感動は今でも忘れられない。

 東日本大震災の発生直後に福島県に入って災害ボランティアに参加していた友人が当時、何度も繰り返していた言葉がある。「人を助けられるのは人だから」。能登半島地震の発生を受けて、サンドウィッチマンの伊達みきおさんは自身のブログで「きっと、沢山の方が助けに来てくれます。何とか乗り切ってください!」と被災地に向けてメッセージを送った。

 地震大国の日本で生活しているということは、いつ誰が助けられる側になっても不思議ではない。“お互いさま”の精神で今できることを考えて行動する。それが被災地の力になる。(記者コラム・重光 晋太郎)

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