ソフトバンク・大津 来季は先発で勝負! すでに新監督から通達 まっさらなマウンドでCSの借り返す

[ 2023年11月6日 05:00 ]

ソフトバンク・大津

 ソフトバンクの大津亮介投手(24)が5日、来季の先発挑戦に懸ける思いを打ち明けた。今季は新人ながら46試合に登板し、2勝0敗13ホールド、防御率2・43と安定した投球を披露。小久保裕紀監督(52)は最重要課題である先発強化のため、多彩な変化球を操る右腕を先発に転向させる意向だ。大津は2日から始まった秋季キャンプで今季の疲れを癒やし、新シーズンに備えている。

 新指揮官からの通達に心が高ぶった。秋季練習が始まった先月23日、大津は小久保監督から「来年は先発で考えているから」と伝えられた。「やっぱり先発はチームに貢献する一番のポジション。今年は先発投手を見ていろいろ勉強させてもらった。自分なりに得た知識を来年に生かせるのではないかなと思っている」。来季のビジョンがはっきりと見えた瞬間だった。

 今季は開幕1軍を勝ち取り、46試合登板で2勝0敗13ホールドを記録。防御率2・43とフル回転した。最速150キロの直球、スライダー、カットボール、さらに特殊球のワンシームやカーブ、チェンジアップ、フォークを駆使。多彩な球種は長いイニングを投げる上で大きな武器になるはずだ。「(先発への転向は)僕からお願いしようと思っていた」と念願がかなった。

 課題はスタミナ面の強化。今季は夏場に疲れが出て、7月下旬に出場選手登録を抹消された。7月の月間防御率は6・75と大幅に落ち込み、「疲れのピークは20試合投げたぐらいできていて、もう通り越していた。1年間投げることが、こんなにもきついんだなと思った」と体力強化が必要だと痛感した。

 2日から始まった秋季キャンプでは投球練習は行わず、酷使した肩を休ませ、筋力トレーニングに力を入れている。公表されている体重63キロは12球団の支配下選手で最軽量。現在は65キロで「70キロぐらいまで増やせたら。僕は筋肉量が全然ないので、疲労がたまりやすく、他の選手以上にケアが必要だった。長いイニングを投げるとなるともっと苦しくなると思うので、そこを今年は鍛えたい」と思い描いている。

 あの涙も来季へのパワーに変える。ロッテとのCSファイナルS第3戦では延長10回に打たれてサヨナラ負けし、グラウンドで泣き崩れた。「誰しもが経験できることじゃないと思う。最高な経験をしたなとプラスに考えて来年からやっていきたい」。視線の先にはまっさらなマウンドに立つ自分の姿がはっきりと映っている。 (森 寛一)

 ○…ソフトバンクで中継ぎから先発に転向した成功例は、摂津と千賀が挙げられる。摂津は入団1年目の09年から2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得。11年に先発へ転向し、いきなり14勝をマーした。翌12年には両リーグ最多の17勝を挙げ、最多勝、最高勝率を受賞し、沢村賞にも選出された。さらに15年まで5年連続で2桁勝利を挙げた。育成選手として入団した千賀は支配下登録された12年に先発で結果を出せず、13、14年はリリーフとして活躍。15年に先発へ再転向し、16~22年に6年連続で2桁勝利をマークした。

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