阪神・梅野が激白「日本シリーズに間に合うように」懸命のリハビリ 「もう一度あの雰囲気でプレーしたい」

[ 2023年10月6日 05:15 ]

日本シリーズ出場を目指し、調整を続ける阪神・梅野

 左尺骨骨折でリハビリ中の阪神・梅野隆太郎捕手(32)が5日、本紙に日本シリーズでの戦列復帰へ向けた決意を明かした。レギュラーシーズンは前日4日に終了。1軍選手は休日となったが、今季の開幕捕手はリハビリに汗を流していた。固定ギプスが外れ、現在は左手の可動域を徐々に広げていく段階。険しい道程ではあるものの、新人だった14年に出場経験がある最高峰の舞台での記憶も刺激に、今季中にグラウンドに戻ることを諦めない。

 苦痛に顔をゆがめ、無念の思いで京セラドームのグラウンドを後にしたあの日から2カ月が経過しようとしている。鳴尾浜球場でリハビリに取り組む梅野の目標は変わっていない。

 「今季中にプレーする、1軍に戻りたいという気持ちはずっと持ってやっている。日本シリーズに間に合うようにという目標はずっと変わっていない」

 8月13日のヤクルト戦で今野から左手に死球を受けて戦線離脱した。チームはリーグ優勝へまい進中だっただけに病院で診断結果を通告された際は「頭が真っ白になった」とぼうぜん自失。それでも、落ち込んだのは1日だけ。視線は自然と前を向いた。リハビリに時間を要するケガであることは自覚。日本シリーズでの復帰は、理想と現実はざまにあるギリギリの目標でもある。

 9月12日には約1カ月間装着していたギプスが外れ、現在は左手の可動域を広げるべく懸命にメニューを消化中。「いろんな所に行っている」と鳴尾浜球場以外にも複数の治療院やクリニックを“はしご”して時間の許す限り、患部の回復に充てている。

 ただ、一朝一夕で左手に自由が戻るわけではなく、焦りや小さな落胆とも向き合う日々。「良くはなっているけど可動域がなかなか広がらなかったり…リハビリの大変さ、難しさも凄く感じている」と本音を吐露した。

 背中を押すのは“9年前の記憶”だ。14年、ソフトバンクとの日本シリーズに球団の新人捕手では85年の嶋田宗彦以来となる出場。10月26日の第2戦の9回の守備でマスクをかぶり、2死一塁から二盗を阻止した。「特別な雰囲気、緊張感。あの体験は今でも忘れない。遼馬(松田)とバッテリーを組んで盗塁を刺して。もう一度、あの雰囲気でプレーしたい思いは強いので」。

 日本一の瞬間はマスクをかぶって――。プロ10年目のクライマックスがまだあると信じて歩みを進める。(遠藤 礼)

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