阪神1位指名に「東都のドクターK」中大・西舘が浮上!今秋ドラフトは「大学生即戦力投手」中心に選択へ

[ 2023年10月6日 05:15 ]

阪神がドラフト1位候補に挙げる中大・西舘勇陽投手

 阪神は26日に開かれる今秋のドラフト会議で「東都のドクターK」こと中大・西舘勇陽(ゆうひ)投手(21)を1位候補に挙げていることが5日、分かった。最速155キロの直球を武器に、ハイレベルなリーグで今年春まで2季連続で奪三振数1位に輝いた本格派右腕。高校はエンゼルス・大谷翔平投手と同じ岩手・花巻東。投手王国の地盤を固めるべく、大学生の即戦力投手を中心に、虎の恋人獲得への戦略を進めていく。

 阪神がドラフト1位候補に挙げる中大・西舘は、1位候補の投手がそろう東都大学リーグで存在感が増している。最速155キロの直球、切れ味鋭いフォークとカットボール、落差の大きいカーブのどれをとっても一級品で全ての球種で空振りを取れる。昨秋と今春のリーグ戦で奪三振数1位に輝き、今季も31イニングで35個を奪いトップを快走中。「東都のドクターK」の異名にたがわぬ活躍を見せている。

 9月22日の亜大戦は圧巻の内容。最速148キロながら1安打無四球で完封勝利。打者28人で打ち取る準完全試合を果たした。コントロールが良く、試合を組み立てる力に優れている。球団関係者は「スケールが大きく、将来性もある」と備わったエンジンの大きさを高く評価。実力は即戦力で、既に抑え候補と見ている球団もあるほどだ。

 阪神は、岡田監督が投手を最優先に考えていることから、豊作と呼ばれる大学生投手から1位を選ぶ方針だ。西舘の他に、青学大・常広羽也斗と桐蔭横浜大・古謝樹を推す声は強く、さらに国学院大・武内夏暉、東洋大・細野晴希、青学大・下村海翔、名城大・岩井俊介、大商大・上田大河が最上位クラスにランク付けされているようだ。岡田監督は12日までにリストアップ選手の映像をチェックし、ドラフト直前に1位を決めるとみられる。

 1メートル83、79キロの本格派右腕の西舘は岩手・花巻東出身で、エンゼルス・大谷の後輩にあたる。3年夏の甲子園では偉大な先輩と同じ背番号1を背負ってプレー。高校時代は同県の同学年の大船渡・佐々木朗(ロッテ)と競い合った。次々と大物が誕生する“スター輩出県”の次のホープで、甲子園にも縁がある。聖地の土を春夏3度踏み、大学の1学年先輩の森下は、プロ1年目の今季は10本塁打を放つ活躍を見せた。タテジマのユニホームに袖を通してもおかしくないバックグラウンドの持ち主だ。

 18年ぶりリーグ制覇をした今季、村上、伊藤将、大竹の10勝トリオを軸にして勝利を積み上げた。他球団がうらやむほどの先発と中継ぎの陣容が、独走Vの原動力になった。今季の投手成績を見れば一目瞭然。26日のドラフト会議で自慢の投手陣にさらに厚みを持たせられれば、常勝軍団&投手王国への道筋が出来上がる。

 ◇西舘 勇陽(にしだて・ゆうひ)2002年(平14)3月11日生まれ、岩手県出身の21歳。一戸南小3年から野球を始め、一戸中では軟式野球部に所属。花巻東(岩手)では3度の甲子園出場。3年夏の岩手大会決勝は2番手で登板し、故障予防のために登板しなかった佐々木朗擁した大船渡に勝利した。中大では1年秋にリーグ戦デビューし、通算48試合11勝9敗。憧れの選手は菊池雄星、大谷翔平。特技はクロスカントリースキー。座右の銘「初志貫徹」。1メートル83、79キロ。50メートル走6秒2。遠投100メートル。右投げ右打ち。

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