「メジャーでサイ・ヤング賞を獲りたい」享栄・東松 まさかのコールド…涙の7失点終戦、そしてプロへ

[ 2023年7月26日 05:00 ]

第105回全国高校野球選手権記念愛知大会準々決勝   享栄0―10愛工大名電 ( 2023年7月25日    岡崎レッドダイヤモンドスタジアム )

<享栄・愛工大名電>愛工大名電に敗れ、健闘を称えあった後に涙する享栄・東松(右から2人目)(撮影・椎名 航)
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 最速152キロ左腕、享栄・東松快征(3年)は一度も甲子園のマウンドに立つことなく高校野球を終えた。愛工大名電との準々決勝に先発し、最速149キロでも6安打を浴びた7失点で1回2/3降板。涙が止まらなかった。

 「注目をされていたが、最後の最後に情けない投球で期待を裏切ってしまった。初回がすべて。申し訳ない」

 初回、内角寄りに立ちインステップで構える先頭打者に対して「ストライクゾーンが小さく見えた」と死球を与えて歯車が狂った。次打者にはストレートの四球。7球目までストライクが入らず「自分の投球が変わってしまった」と3つのバッテリーエラーも重なって3点を失った。2回も立ち直ることができず4失点。「ピンチになればなるほど高めに浮き、狙われた」。2死二塁でマウンドを降り、ベンチで声援を送るしかできなかった。

 2年生エースだった昨夏も東邦との準決勝で3回5失点と崩れてコールド敗戦。「勝てる投手」を目指した1年間の成長でも、甲子園への道は遠かった。

 進路は「プロに行きたい」と言い切った。憧れは同じ左腕の菊池雄星(ブルージェイズ)。「メジャーでサイ・ヤング賞を獲りたい」。帽子のツバに書いた「世界一のピッチャー」への挑戦は終わらない。

 ▼楽天愛敬尚史アマスカウトグループマネジャー 高校生トップクラスの直球を投げる。将来が楽しみ。

 ▼中日清水昭信スカウト 素材は間違いない。今日だけで判断できない。10月まで追いかける。

 ▼巨人木佐貫洋スカウト 力投型の本格派。球速は出ていた。

 ◇東松 快征(とうまつ・かいせい)2005年(平17)4月29日生まれ、愛知県東海市出身の18歳。加木屋小1年から加木屋クラブで野球を始め、加木屋中では東海中央ボーイズに所属。享栄(愛知)では1年秋からベンチ入りし、2年夏から背番号1を背負う。最速152キロ。50メートル走6秒1、遠投120メートル。1メートル78、89キロ。左投げ左打ち。

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