専大松戸・平野 12K完投!11球団スカウトの前でプロ注目右腕対決制す

[ 2023年7月20日 05:31 ]

第105回全国高校野球選手権千葉大会5回戦   専大松戸6―2幕張総合 ( 2023年7月19日    ZOZOマリン )

完投勝利を挙げた専大松戸・平野(撮影・柳内 遼平)
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 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は19日、22大会で98試合が行われた。千葉大会では専大松戸の平野大地投手(3年)が5安打2失点12三振で完投勝利。幕張総合の早坂響投手(おと=3年)との県内最速151キロ右腕同士の対戦に11球団18人のスカウトが詰めかけた前で、投げ合いを制した。

 最後まで直球勝負だった。9回2死一、二塁、平野が147キロ直球で27個目のアウトを遊ゴロで奪った。終了のあいさつを終えると、投げ合った早坂に歩み寄り「プロの世界で対戦しよう」、「甲子園に行ってくれ」と言葉を交わした。高校で最初で最後の対戦を通して心を通わせた。

 ともに最速151キロを誇るプロ注目右腕対決を制した。150キロをマークした直球、130キロ台のスライダーを軸に5安打2失点で完投勝利。132球の熱投で12三振を奪い「全力で腕を振りました。楽しかったことが今日の一番です」と笑顔が輝いた。11球団18人のスカウトが集結し、日本ハムの大渕隆スカウト部長は「ゲームのリズムをつくっていく意識を感じた」と成長を称えた。

 親子二人三脚で、再び夢をかなえようとしている。中学時代は控え捕手。自分の実力を知っていたから、将来の夢は作文に「税理士」と書いた。転機は専大松戸入学時。社会人野球の川崎製鉄千葉(現JFE東日本)でプレーした父・勝広さんが「捕手では専大松戸で1試合も出ることなく3年間が終わる」と地肩を生かした投手転向を勧めた。

 父は茨城県稲敷市の自宅車庫を室内練習場に改造。帰宅後も毎日、父のサポートを受けて夜遅くまでトレーニングに励み、投手として急成長を果たした。平野は「自分一人じゃここまで来られなかった。甲子園に行って恩返ししたい」。2季連続の甲子園出場の恩返しまで、あと3勝だ。(柳内 遼平)

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