DeNA桑原負傷で野手17人使い切る“緊急事態”も執念ドロー 捕手・山本が一塁 昼のハマスタ不敗継続

[ 2023年7月1日 18:05 ]

セ・リーグ   DeNA2ー2中日 ( 2023年7月1日    横浜 )

<D・中>延長11回、小池コーチに背負われベンチへ下がる桑原(撮影・島崎忠彦)
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 4連敗中のDeNAは野手17人全員を使い切る総力戦で今季2度目の引き分けに終わった。0ー2の8回に代打攻勢で執念の同点。しかし、延長に入ってからは両軍得点を奪うことはできなかった。今季ハマスタでのデーゲームは12勝2分けと不敗は継続となった。

 延長11回に緊急事態が訪れた。この回先頭の桑原は、中前打で出塁。知野がスリーバント失敗、牧が空振り三振で2死一塁に。打者・神里の場面で桑原が盗塁を試みたが、ダッシュ直後に顔を歪め立ち尽くす。戸惑いながらも中日はタッチアウトを奪い11回を終えた。右太腿裏を気にする素振りを見せた桑原は天を仰ぎ苦悶の表情。顔を歪めたままコーチに背負われベンチ奥に引き揚げた。

 DeNAはこの回までに野手16人を起用。残るは捕手の山本だけだった。緊急事態に山本はファーストミットを着けてウオームアップ。神里が左翼から桑原の代わりに中堅に、途中から一塁に入っていた知野が左翼に就く形で延長12回の守備を迎えたが、7番手の伊勢が前日のリベンジで無失点に抑え緊急事態を乗り切った。

 最後の攻撃。2死一、三塁で遊ゴロの戸柱は一塁へ決死のヘッドスライディングも届かず。野手全員を使い切った総力戦は今季2度目の引き分けに終わった。

 試合後に三浦監督は「全員で戦い切ったと思います。明日も全員で戦います」と前を向いた。

 打線は前日に続きホームが遠かった。7回までわずか2安打で得点を奪えず嫌なムードが立ち込める中、8回にようやくハマスタが沸いた。先頭のソトが相手先発・メヒアの6球目スライダーを捉え左翼線を破る二塁打。気迫のヘッドスライディングを見せナインを鼓舞。球場のボルテージが最高潮に達する中、三浦監督はソトに代わり代走・神里を送る。大和が四球を選んだ後には京田に代打・宮崎。宮崎は見逃し三振に倒れたが、続いて伊藤光に代打・楠本を送る勝負手連発。その思いに応えた楠本はメヒアに代わってマウンドに上がった清水のフォークをうまく捉え左前に運び、二走・神里が一気に生還。ようやく1点をもぎ取った。流れをつかんだ打線は、田中健の代打・戸柱が四球を選び1死満塁。関根が二ゴロも快足を飛ばし併殺を阻止する間に三走・大和が同点のホームを踏み、ついに試合を振り出しに戻した。

 9回は守護神・山崎が無失点に抑えると、打線は佐野が左翼越えの二塁打、牧が申告敬遠、大和が左前打で1死満塁のサヨナラチャンスをつくったが、柴田の二塁ライナーでダブルプレーとなり延長戦に突入した。

 抑えてきた感情が爆発した。初回にわずか4球で先制点を許し、2回にも連打で2点目を失った後、調子を上げ3イニング連続無失点に抑えた先発・バウアー。味方打線の援護がないまま迎えた6回だった。先頭の石橋を内野フライに仕留めたと思った打球をソトと牧が“お見合い”。記録上は安打だったが、完全に打ち取った打球だっただけにマウンドで厳しい表情を見せた。続く龍空が意表を突いたセーフティーバント。慌てたバウアーは一塁へ悪送球。嫌なムードが充満する中、投手メヒアと大島を何とか仕留め2死一、二塁まで耐えた。

 しかし、岡林を二ゴロに打ち取ったかに見えた場面で、相手が走塁ミスをしたにもかかわらず、中途半端な挟殺プレーでなんとアウトを奪えず満塁に。ブチ切れたバウアーは何度も“Fワード”を叫び鬼の形相を見せた。満塁で迎えた高橋周に対する1球目、この日103球目には怒りの最速159キロ直球を投げ込む。そして3球目の直球で投ゴロに仕留めると、一塁手・ソトに向かって“どけ!オレがアウトを取る”と言わんばかりにグラブでジェスチャーを見せ、そのまま自分で一塁ベースを踏んだ。バタついたものの何とか得点を許さなかった6回を投げ終え怒りが収まらないバウアーは、ベンチに戻っても吠えまくってベンチ裏に消えていった。

 結局バウアーはこの回で降板。6回105球を投げ10安打6奪三振2失点(自責1)。大好きな「ポケモンデー」で今季6勝目を挙げることはできなかった。

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