中日ドラ4山浅の負けられない理由 今わかる母の苦労「本当にありがたいことなんだなと感じます」

[ 2023年5月26日 08:00 ]

10日の広島戦でプロ初出場を果たした中日・山浅
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 中日のドラフト4位・山浅龍之介捕手(19)には、負けられない理由がある。支えてくれる家族の存在だ。

 「母には本当に感謝しかありません。中学の時、僕の野球のために一緒に宮城へ引っ越してくれました。僕の野球のことで振り回して、ここまで育ててくれて、自分のやりたいことをやらせてもらっている。1日も早く1軍の試合で活躍する姿を見せることが恩返しだと思っています」

 秋田県由利本荘市出身。小6の時、楽天ジュニアに選出されたことがきっかけで中学から同シニア所属のため、母・福子さんと妹の3人で仙台へ引っ越した。

 「母は、僕が“楽天シニアでやりたい”という希望をかなえるために、一緒に宮城へ引っ越してくれました。父は自営業なので自宅に残りましたが、母は知らない土地で、僕と妹の2人を育ててくれました」。聖光学院でも全力サポート。両親は福島にアパートを借り、試合があれば応援に駆けつけてくれた。

 「毎日の食事に、お弁当、練習試合があれば“得意ではない”と話していた車を運転して送り迎えしてくれました。本当にたくさん苦労をかけました。母1人で、寝る間も惜しんで僕と妹の面倒を見てくれた。それまでも寮生活ですけど、名古屋に来て、あらためて、洗濯や掃除とか、母が当然のようにやってくれていたことが、本当にありがたいことなんだなと感じます」

 春季キャンプでは1軍メンバーに抜てきされ、新人で唯一完走した。5月2日に初昇格し、同10日の広島戦で初出場、8回からマスクを被った。球団の高卒捕手が1年目でデビューするのは19年石橋以来3人目だ。正確なスローイングと、打撃も武器。しっかり者のようで、少し天然な性格なのか、時折、発する“パワーワード”がユニークで、周囲から、かわいがられる様子も好感が持てる。

 「スタメンで1軍の試合に出られるように、もっと練習して、しっかりやっていきたいです」。昨季最多安打の岡林、大砲候補の石川昂をはじめ、ブライトや鵜飼ら期待溢れる素材が揃う中日。この19歳も注目の1人の予感だ。(記者コラム・湯澤 涼)

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