U18ワールドカップが10日開幕 「7回制」本格導入で戦い方はどう変わるのか
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野球の7回制が国際大会で本格的に導入されている。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が19年に導入を決めた同制度。9日(日本時間10日)、米フロリダ州で開幕する「第30回WBSC U18ワールドカップ」は7回制で実施される。アマチュア野球担当デスクと現場を取材する担当記者が、持論や戦い方の展望などを語った。
≪割り切った戦いが必要になる≫19年にWBSCが定めた、国際大会の7回制への移行。最大の目的は五輪での正式競技復活で、試合時間短縮、選手枠縮小など競技運営のスリム化のアピールのためだ。24年パリ五輪での採用が見送られた今、競技普及や振興の面を考えれば、五輪での野球復活が無視できない大きな要素なのは間違いない。
ただ、7回制は野球が持つ競技性を考慮して生まれたものではない。だとすれば当面は「7回制野球」に対して、その都度、割り切って取り組むしかないだろう。大リーグ機構(MLB)が主催のWBCは9回制のまま。大リーグも日本のプロ野球も9回制を変更する可能性はほぼない。
野球の歴史の中で「9回制」は長い歴史を持つ。1938年に米野球殿堂入りしたアレクサンダー・カートライトという人物が「現代野球の父」と呼ばれている。ニューヨークに生まれ、マンハッタンで消防団に所属していた1845年、現在の野球規則の下地になるルールを定めたと言われている。当時、野球は9回制ではなく、卓球やバレーボールと同じ21点先取制だった。9回制が採用されたのはそこから12年後の1857年だった。日本に野球が伝来した1872年の15年前だ。投本間の距離が現在の18・44メートルに定められた1893年や、米国でア、ナ・リーグが整い「近代野球」がスタートした1901年よりずっと古い、165年不変のルールだ。
コロナ下の20、21年。大リーグはダブルヘッダー開催時に限って7回制と、延長戦のタイブレーク制を導入した。だが、あくまで選手の健康安全対策として。今季からはダブルヘッダーは通常通りに9回制に戻った。エンゼルス・大谷の活躍で、多くの古い記録が掘り起こされるようになったが、これらを根底から覆すような変更はメジャーも、日本プロ野球も考えていないだろう。
WBSCのリカルド・フラッカリ会長は7回制の導入について「試合で最も長くなるのは7回から9回の間。導入で少なくとも1時間は短縮でき、チーム間の(戦力の)不均衡も減らせる」と語っている。逆に考えれば7回から9回が野球の醍醐味(だいごみ)でもある。普及と伝統。野球界は、しばらくの間、「2つの野球」を割り切り、同時並行して成立させなければならない。(野球担当デスク・春川 英樹)
≪1点勝負!小刻みな継投で守り抜く≫7月にオランダで行われた「ハーレムベースボールウイーク」は7回制だった。大学日本代表を指揮した九産大・大久保哲也監督は「9回ならば打席が多く回ってきて慣れが入るので7~9回に得点が入る可能性があるが、(展開が)ちょっと違うなという感じがしました」と証言した。
5勝2敗で4位だった同大会。5連勝で迎えた6戦目以降、得点は2試合で計2点だった。同監督は「5回まで0―0だったらタイブレークを考えないといけないぐらいで、とにかく早いという印象」と本来の9イニング制とは全く違う野球だったとする。
7イニング制では出塁数が少なければ、下位打線にはわずか2打席しか回らない。U18日本代表を率いる明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は「後半勝負と考えていると、とんでもないことになる」と警戒感をあらわにした。先発オーダーについては「“調子の良い者から順番に”という形にしなければいけない」と上位から下位までバランスを考慮することが多い9イニング制のセオリーは通用しないと考えている。
戦術面での意識改革も必要だ。「ゼロゼロ(の試合展開)でいっていたら、ワンアウトでもバントしたくなる」と同監督。得点圏に確実に走者を進め、得点を狙うケースも増えそうだ。さらに、今回のU18日本代表は、普段使用する金属ではなく木製バットでの戦い。長打や連打の可能性よりも、少ない好機を確実に生かす戦い方が必要になる。
今大会での勝機を見いだす道の一つは投手起用だろう。馬淵監督は「完投は全く考えていない。50球以内ならば毎日投げられる。7イニング制だったら極端な話(1投手が)、1イニングずつ投げるという気持ち」と説明。145キロ超の5投手の継投で今夏の甲子園を制した仙台育英のような、投手力を生かした策が有効となる。主将で救援起用となる近江・山田陽翔(3年)は「7イニングしかないので守備から突き詰めてやっていきたい。後半にしっかり逃げ切れるように。だからこそ自分が後半を任されていると思っている」とする。
国際大会で7イニング制がどこまで採用され続けるかは分からない。だが、今回の高校日本代表の戦いが、今後の国際大会の戦い方の試金石になることは間違いない。(アマチュア野球担当・柳内 遼平)
≪戦力差埋める狙いでWBSC主催大会に適用≫WBSCは19年1月、理事会で同連盟主催の一部国際大会を7イニング制とする方針を決定。今年7月に行われた「ハーレムベースボールウイーク」に続き、今回のU18W杯が7イニング制となった。従来より2イニング削減することで、試合時間短縮や投手層の薄いヨーロッパやアフリカなどの野球新興国と米国、日本などの強豪国との戦力差を埋める狙いがある。最も大きな目標は、野球の五輪競技への完全復活。イニング数削減による選手登録枠の縮小などで、大会のスリム化をアピールする狙いがある。大リーグが主催となるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は変更されない。
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