日本文理の150キロ右腕・田中 クレバーさ武器に09年準V超え導く!

[ 2022年8月6日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権大会

日本文理の田中
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 第104回全国高校野球選手権大会(6日から17日間)が6日、甲子園で開幕する。今秋のドラフト上位候補に挙がる最速150キロ右腕・田中晴也(はるや)投手(3年)を擁する日本文理(新潟)は、第3日第1試合で海星(長崎)と対戦。将来性豊かな1メートル86の長身右腕が、昨夏に続く聖地で躍動する。

 2度目の聖地で、今度こそ勝利の喜びをかみしめる。田中は「まだ、甲子園をいい場所とは思えていない」と語る。昨年は初戦で、北信越のライバル・敦賀気比に15安打を浴び8失点で散った。あれから1年。再び大舞台のマウンドに立つ時がやってきた。

 投打に全12球団が注目する。新潟大会準決勝の北越戦では、それまでの自己最速を2キロ更新する150キロを計測。だが「いずれ出る数字だと思っていたので、特に驚きはない」と平然としたもの。「スピードが全てではないが、まだまだ成長できる」と最高の舞台でのさらなる成長に自信を見せた。

 球威、制球力もさることながら、田中の最大の武器とも言えるのがクレバーさ。帝京長岡との決勝では、準決勝で右手人さし指のマメをつぶした影響で「いつも通りの真っすぐは投げられなかった」としながら、それまであまり投げていなかった遅いスライダーを駆使した。延長11回を1失点に抑え、手負いの状態で難局を乗り切った。自身の一番の長所を「弱みが少ないところ」とする。「どんな場面でも臨機応変に対応できるところが自分の特長」と自負する能力の高さを証明して見せた。

 新潟大会では4試合に登板し、計34回を投げ35奪三振。防御率は0・26と圧倒的な数字を残した。新潟県勢の春夏通じた甲子園最高成績は、先輩たちが果たした09年夏の準優勝。「全国クラスでも完封するための練習をしてきた」。田中物語がいよいよ幕を開ける。 (棚橋 孝太)

 ◇田中 晴也(たなか・はるや)2004年(平16)6月6日生まれ、新潟県長岡市出身の18歳。小2で赤城ベースボールクラブで野球を始める。長岡南中では軟式野球部に所属。3年時には県選抜に選ばれ、全国大会で3位に。日本文理では1年秋からベンチ入りした。1メートル86、92キロ。右投げ左打ち。

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