広島・大瀬良「すっきりした気持ちでやっていける」3年8億1000万円更改 4年連続開幕投手にも意欲

[ 2021年12月15日 05:30 ]

契約更改を終え、特製の「カープ愛」かぶとをかぶりポーズを決める大瀬良
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 広島の大瀬良大地投手(30)が14日、広島市南区の球団事務所で交渉し、3年契約の年俸1億8000万円プラス出来高払い、総額8億1000万円で契約を更改した。今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず残留したエース兼選手会長は、V奪還と日本一を誓う来季に向け、4年連続の開幕投手とキャリアハイの成績に意欲を燃やした。

 この日は契約書にサインし、印鑑を押すだけだった。今季国内FA権を取得したエースに球団は10月末から交渉を重ね、条件面は残留表明した11月18日までに大筋で合意しており、手続きを終えた大瀬良は明るい表情で意気込みを口にした。

 「また新たに、すっきりした気持ちでやっていけると思う。優勝と日本一を目指し、チームの先頭に立って頑張っていきたい」

 3年契約で年俸1億8000万円プラス出来高払い、再契約金1億2000万円を含めて総額8億1000万円の好条件。広島がFA選手に再契約金を支払うのは異例だが、鈴木清明球団本部長は「契約の内容は答えられない」としつつ、チームの柱として期待と信頼を寄せた。

 無論、大瀬良もそのつもり。右肘手術明けの今季は先発23試合で10勝5敗、防御率3・07。4月に右脚を痛めて1カ月間離脱しながら、夏場に練習強度を上げた成果が終盤に現れ規定投球回と2桁勝利を2年ぶりにクリア。30代になっても自らに厳しく接する。

 「トレーニング量は従来通り、もしくは多少増やす。走ってここまで来られたので、体を維持していけるようにしっかり走りたい」

 高いポテンシャルを秘める後輩の存在も、負けじ魂をくすぐる。実現すれば、03~07年の黒田博樹以来となる4年連続の開幕投手。昨オフ同様に森下がいち早く名乗りを上げているが、3季連続で担ってきた大役を簡単に譲るつもりはない。

 「これからのカープを背負う投手だけど、経験や実績ではまだまだ負けないゾ…と。競争に勝って開幕のマウンドに立ちたい」

 投手キャプテンから選手会長に立場を変えて臨む9年目。プレーヤーとしても円熟期を迎え、従来通り若手を背中で引っ張るのはもちろん成績でも先頭に立つ意気込み。

 「年齢的にも脂が一番乗っているかなと思う。キャリアハイの数字を出せるようにしっかり頑張りたい」

 18年に15勝を挙げた実績があり、具体的には勝ち星で16勝、防御率なら2点台半ば――。カープ愛を貫き、旺盛な向上心を持つエースの存在が頼もしい。(江尾 卓也)

《条件面は大筋で合意済みだった》条件面は大筋で合意していたこともあり、交渉役の鈴木球団本部長は「今日は(主に)選手会のいろんな話をしていた。認識違いの部分もあるし、それぞれ確かめたこともあった」と明かした。大瀬良にとっては実質、選手会長としての初仕事。10項目程度の要望を伝えたもようで「選手の意見や要望を聞いていたので、球団に話をさせてもらった。大変だけど、いい環境をつくる中でチームが勝てるように責任を全うしたい」と語った。

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2021年12月15日のニュース