ウィズ・コロナで迎えるシーズンオフ プロ野球選手の過ごし方にも変化

[ 2020年12月6日 13:30 ]

 新型コロナウイルスの「第3波」による感染拡大が続いている。2020年のプロ野球は開幕を遅らせて試合数を減らすなどして、全12球団が何とか完走できた。球団行事や契約更改などが終われば、選手たちは本格的オフに突入する。

 シーズンの日程が後ろ倒しになったことで、例年よりもオフ期はも短くなる。プロ野球選手の実質のオフは正月明けまで。ほとんどが1月初旬から自主トレーニングをスタートさせ、2月1日のキャンプインに備える。

 パ・リーグの球団のある主力野手は「ファン感と契約更改が終わればやっとオフが始まる。でも、あっという間に自主トレが始まってキャンプですよね。今年は短いことは頭では分かっていたつもりだけど、やっぱり短いですよ」と苦笑いする。

 必然的に例年とは違うスケジュールで「師走」の日々を過ごすことになる。12月に国内外で旅行に出かける選手も多かったが、今年は「コロナ禍」でそれができない。あるベテラン選手は12月に支えてくれた家族への恩返しで海外旅行に出かけるのが恒例だったが、もちろん中止に。夫人が好きな温泉と美味しいグルメを楽しんでもらえるように国内旅行も検討したが「さすがに今の状況じゃ厳しいよね、という話になった。違う形で家族に何かしてあげたい」と話す。

 実はプロ野球選手のオフは忙しい。恩師や母校の関係者、お世話になった人たちや個人後援会などへのあいさつ回り、実家への里帰り――。合間を縫って体の治療やケアを行い。可能な範囲でトレーニングも継続しなければいけない。

 さらに、今オフは徹底した自己管理で感染予防に務めなければいけない。前出のベテラン選手は「シーズン中にチームで受けていた定期的なPCR検査もオフの間はなくなる。少しでも体調を崩したら自主トレも出来なくなる。人と会う機会は極力減らします」と言った。

 オフ期間に他球団の選手との合同自主トレを禁止している球団もあると聞く。一方、感染予防を講じることを前提に各自の判断に任せている球団も。各球団の対応に差があるのも事実だが、オフ期間中の行動を球団が完全に管理するわけにもいかない。「ウィズ・コロナ」の中で迎える初のシーズンオフ。球界から新たな感染者が出たという記事を書かないことを願うばかりだ。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2020年12月6日のニュース