日本ハム 栗山監督の直筆手紙、金子「野球教室」…直接的交流なくとも“血の通うファンサービス”次々と

[ 2020年5月17日 09:00 ]

日本ハム・栗山監督
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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、プロ野球選手とファンの直接的な交流が途絶えた。球場に行ってファンが選手と写真を撮る、ハイタッチするなどのファンサービスはしばらく行われないかもしれない。球団関係者との会話の中で「これからどうやって(球場内で)ファンサービスを行うんだろうか」と憂慮する言葉もあった。

 6月中の開幕を目指すプロ野球も当面は無観客試合。ファンが球場を埋め尽くす光景はいつになったら見られるだろう。その中で記者が担当する日本ハムでは、栗山監督がグッズ購入者に対して直筆のお礼の手紙(コピー)を同封するサプライズ企画が始まった。グッズ購入の感謝を伝えるとともに「我々、何も出来ませんが、少しでも元気や勇気を届けられる様、全力で準備だけはしていきたいと思っています」(原文まま)などとファンへのメッセージを力強い文字でつづっている。この状況でも何かできることはないかとファンを思う栗山監督らしいアイデアだと感じた。

 また、選手たちはそれぞれのSNSを利用してファンと交流する場面が多く見受けられた。中でも記者の印象に残ったのが金子。インスタグラムのストーリーズ機能を利用しての質問コーナーでは、球界屈指の変化球の使い手に技術的なアドバイスを求める声が多く寄せられた。一例を挙げると「チェンジアップがうまく抜けず、コツはありますか」という質問。これには「抜く必要はないです。抜こうと思うことによって腕の振りも緩むし、肘が下がり、手首が寝てリリースした時に球が上に浮いて結局は高めに抜けます」などと自身の手書きの図解付きで丁寧に回答した。

 金子はインスタグラムを通じたファンとの交流について「シーズンが始まったら難しいので(自主練習期間の)今のうちかなと思う」と期間限定であることを明かしたが、この「野球教室」は、野球少年にとって直接触れ合うに等しい貴重な機会になったはずだ。

 新たな形を模索していく球団のファンサービス。直接触れ合う機会はなくとも、血の通う企画が次々と生まれてくることを願うばかりだ。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2020年5月17日のニュース