阪神・西勇、ブレない!開幕投手の責任感“本番”常にロックオン「いつと言われても大丈夫なように」

[ 2020年4月21日 05:30 ]

甲子園の室内練習場で自主練習を行う西勇
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 阪神の西勇輝投手(29)が20日、甲子園施設内で約2時間、自主練習を行い、オンライン取材に応えた。開幕投手に決定している右腕は、先の見えない日々にも来たるべき“その日”に備えて心身両面で緊張を保っていたことを告白。当初の3月20日から1カ月が経過しても照準がブレることはない。エースの自覚十分に、激動のシーズンで最高のパフォーマンスを発揮すべく着々と準備を進めていく。

 「目標」は見えなくても、今ここで踏みしめる一歩、一歩が必ず開幕のマウンドに繋がっている。西勇は投手陣の柱としての強い自覚を言葉に宿した。

 「先の見えない中なんですけど、1日、1日、目標持って。しっかり自分なりの練習をして終わってます」

 2月中旬の春季キャンプ第3クール中に矢野監督から大役を言い渡されてから、その重みをずっとかみしめてきた。新型コロナウイルスの感染が広がり、2度延期になる中でも当初の3月20日から照準はずっと「開幕」に定めてきた。だからこそ、3月27日から約3週間、チームが活動休止となり自宅待機が続いた間も、思考とアプローチがブレることはなかった。

 「開幕を任されてる責任がある分、(自宅待機期間も)練習を落とすっていうのはできなかったし、自分なりに考えながら。最善策を取って」。屋外で満足な時間を取れず、限られた環境でのトレーニングは心を乱す要因にもなりかねない。そんな苦境で心がけたのは、不変のメンタルと野球との距離感だ。

 「本当に野球のこと考えたり、治療したり。いつもと変わらないことをやっていた。この時期だからやることもあると思ったけど、何が良いのかっていう風に思ったのは、野球から離れないこと」

 期間中は3勤1休で汗を流し、人との接触を避けて早朝のランニングから1日をスタートするなど感染予防にも人一倍、気を遣った。すべてはチームの船出を担う責任感から来るもの。だからこそ、想定外の状況にも前を向ける。

 「モチベーションを保つことはすごく難しくて、言い訳もできないのも分かってる。開幕投手という責任もある。本当にいつ開幕と言われても大丈夫なよう、準備することだけしか頭にない」

 15日から始まった自主練習ではすでに1度ブルペン入りし、肩も休めていない。現時点で開幕は6月以降となり、残された時間は少なくとも約2カ月ある。「結構鍛えても良いのかなと」。キャンプ中のように、再びギアを入れ直すことに充てるつもりでいる。

 「本当に日本全体が落ち着いて(野球を)できるようになれば、自分のパフォーマンスが出せるように1日、1日を大事にしていきたいと思いますよね」。一歩、一歩に迷いはない。西勇がたどり着く場所は決まっている。(遠藤 礼) 

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