大船渡・佐々木が“大谷超え”宣言、165キロ「いつか出る」 練習試合で3回零封&最速153キロ

[ 2019年7月1日 05:30 ]

練習試合   大船渡6―5由利 ( 2019年6月30日    水林グリーンスタジアム )

<由利・大船渡>最速153キロで3回をシャットアウトした佐々木(撮影・木村 揚輔)
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 いつかは大谷の165キロも出せる――。今秋ドラフトの超目玉、大船渡・佐々木朗希投手(3年)が30日、秋田県由利本荘市内で行われた由利との練習試合に先発。最速153キロで3回を3安打無失点に抑え、毎回の6三振を奪った。15日の岩手大会初戦へ順調な仕上がりを披露。最後の夏に甲子園へ強い思いを語るとともに、エンゼルス・大谷翔平投手(24)の持つ日本人最速165キロへも意欲をのぞかせた。

 その言葉に過信も偽りもない。佐々木朗は淡々と、それでいて力強く言い切った。同じ岩手県出身のスーパースター・大谷の持つ最速165キロについて質問が及んだときだ。

 「あと2キロだけど、その壁はかなり高いと思う。でも、自分の体と向き合い、トレーニングしていけばいつか出ると思うので、焦らずやっていきたい」

 いつか出る――。最後の夏、15日に岩手大会初戦を控えたこの時期に、佐々木朗は手応えを感じていた。大谷が持っていた高校生最速160キロを超える163キロを記録してから約3カ月。「(163キロを出したことで、160キロ台を)出さなきゃいけないプレッシャーは消えてくる。1回でも出せば自分の記録として残るので、自分の投球に集中できるようになった」。5月には、骨密度の測定を受けて国保陽平監督と話し合って160キロ台を封印。球速を抑えて調整を続けてきた。

 この日のマウンド。今後、大会前の残りの実戦は次週6、7日だけという中で3イニング51球を投じた。ピンチでは変化球をコースに決め、少しだけギアを上げて三振を奪う。3回2死一、二塁では力強い直球で見逃し三振。「力よりコースを狙った」というが、この日最速の153キロだった。

 ネット裏では福良淳一GMら6人体制のオリックスなど国内8球団計21人のスカウト陣が視察。阪神・葛西稔スカウトは「身長190センチ台の投手が力をセーブして投げるのは難しい技術。故障なくしっかり投げているのを確認できてよかった。この夏は全試合マークしていく」と話した。

 日程では甲子園まで10日間で6試合。どこでギアを上げるか。国保監督は「本人が入れられれば。あとは体調が良ければ、入れる必要があるときがあれば」と説明した。中学時代からの仲間と夢見る甲子園への思いも語った佐々木朗。その先に「高校日本代表に選ばれて世界一になること」と目標を挙げ、進路について、これまでの国内プロ希望に変わりないか、の質問には静かにうなずいた。

 甲子園、世界一、そしてプロへ。はっきり見える道のりのどこかで、165キロが見られるかもしれない。(秋村 誠人)

 ≪木下27号V弾≫大船渡の5番・木下が夏への“号砲”を放った。同点の9回に左翼席へ高校通算27号となる決勝弾。「朗希(佐々木)は注目されるのは当然だけど、朗希だけじゃないところを見せたい」。父・清吾さんは「大船渡旋風」で沸かせた84年センバツで「1番・三塁」として4強に貢献。「(父は)ライバルであり、先輩として超えたい存在。甲子園でホームランを打たないと超えられない」と甲子園での一発を誓った。

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