西武復帰の稼頭央 星野氏に誓う日本一、今季テーマは「走る」

[ 2018年1月12日 05:30 ]

自主トレで軽くダッシュをする西武・松井
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 星野さん、走り続けます――。15年ぶりに西武に復帰した松井稼頭央外野手兼テクニカルコーチ(42)が11日、都内のグラウンドで自主トレを公開。4日に膵臓(すいぞう)がんで死去した楽天時代の恩師、星野仙一氏(享年70)への感謝を胸に、西武での自身初めての日本一へスタートを切った。

 おろしたてのグラブは、チームカラーのブルーとマスコットの「レオ」の刺しゅうがあしらわれていた。「西武・松井稼頭央」としての再スタート。42歳のベテランは、若々しく宣言した。

 「15年ぶりに復帰することになって、またファンの皆さんの前で7番が走っている姿を見ていただけるようにしたい」

 現役続行を希望して楽天を退団し、実現した古巣復帰。年明けは8日から西武・金子侑らと自主トレを開始し、この日も約6時間、ぶっ通しでこなした。今季の目標を「ライオンズで日本一になったことがない。その一員になれるように、まずは優勝、そして日本一に向けてやっていきたい」と設定。94〜03年の前回所属時に経験のない頂点への思いは、あの日本一が根底にある。

 メジャーでの7年間を経て、11年に星野監督率いる楽天入り。12年に主将に指名され、13年に球団初のリーグ優勝と日本一へ導いた。「僕も初めて日本一。星野さんも初めての日本一だった」。10年オフの日本球界復帰を決断させたのは闘将の「一緒に新しい歴史をつくろう」の口説き文句。「この年までできているのも星野さんにずっと使ってもらったり、そのおかげ。感謝しても感謝しきれない」。チームは替わったが、星野氏とつかんだ頂点に再挑戦する。

 プロ25年目のテーマには「走る」を掲げた。97年から3年連続盗塁王に輝いた足。昨季は44試合出場で盗塁がなく、瞬発系のトレーニングを取り入れている。「まだ走れる、というところを見せられるように。やっぱり、走りたい。自分のリズムをつくるスタイルだと思っている」。悲しみを乗り越えるためにも、全力で走り続ける。(春川 英樹)

 ≪昨季盗塁トップ≫昨季西武はチーム盗塁数129。パ・リーグでは日本ハムの86盗塁を抑えトップ。12球団でも広島の112盗塁を上回り最も多かった。個人別では新人の源田が盗塁王の西川(日=39盗塁)に次いでリーグ2位の37盗塁。以下、金子侑25(同4位)、外崎23(同5位)、秋山16(同6位)と4人が10傑入りした。

 ☆松井稼頭央の楽天時代 11年にロッキーズから8年ぶりに日本球界復帰。12年10月5日の日本ハム戦で日米通算2000安打を達成した。13年は主に「7番・遊撃」で125試合に出場。巨人との日本シリーズでは出場選手最高の打率・333で日本一に貢献。ジョーンズやマギーら外国人選手に積極的に声を掛け、チームの精神的支柱としての役割も果たした。14年は途中から志願して外野手転向。星野監督は同年限りで退いた。15年7月28日のソフトバンク戦で両打ち打者2人目の日本通算2000安打を達成。16年以降は出場機会が激減した。

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