巨人・井端コーチ 3連覇の夢がついえた「走塁ミス」 WBCでは意思統一の徹底を

[ 2017年2月13日 10:00 ]

歴代侍の金言=巨人・井端コーチ

13年WBC準決勝、走塁ミスで一走・内川が狭殺に。二塁ベース上では井端が立ち尽くす
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 13年前回大会、プエルトリコとの準決勝だった。2点差を追いかける8回1死一、二塁。ベンチのサインは、走者の判断で走ってもいい「グリーンライト」だった。二塁走者だった巨人・井端内野守備走塁コーチの金言は、日本中で物議を醸した場面から始まった。

 「決まり事を曖昧にしないで(チームで)確認をきっちりしておく。(12球団の)チームによって違いますから」

 井端コーチはスタートの構えを見せて自重したが、一塁走者・内川が気付かずに飛び出して挟殺。この走塁ミスが響き、3連覇の夢は途絶えた。

 二塁ベース上で立ち尽くした当時の井端コーチは、「行けたら行けということだったので(途中で)立ち止まって…」と話している。各球団から選手が集まり、短期間の合宿で臨む国際大会。「行けたら行けは、絶対に行かないといけないのか。盗めたら行けなのか。こういう場面はこうと」。より具体的な確認作業、意思統一が重要になる。

 37歳で初参加したWBC。ブラジルとの初戦の代打同点打から始まった。第2ラウンドの台湾戦は9回2死から同点打。6試合で打率・556と神懸かっていた。「活躍するなら“乗る”ことが大事。シーズンに入ったら帳尻が合うけど、短期決戦は一瞬で終わる」。4試合が代打か、経験のないDHだった。DHは「代打4回」と考え、試合中にオンとオフをつくった。「一番覚えている場面は出てないとき。リラックスしているからよく覚えている」と肩の力を抜いた。

 井端コーチが大活躍した第3回大会だったが、「走塁ミス」で終わった。だからこそ、日本の強みを「細かいところ」と求める。「変な、細かいミスをしなければ、断然、日本の方が有利」。その言葉には重みがあった。 (神田 佑)

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2017年2月13日のニュース