阪神ドラ2小野 またまたまた評価上昇 圧巻斬り!キャンベルかわいそう

[ 2017年2月13日 08:14 ]

香田コーチ(後方)に見守られながら、キャンベル相手に打撃投手を務める小野
Photo By スポニチ

 また、また、また評価急上昇だ。阪神ドラフト2位の小野泰己投手(22=富士大)が12日、ランチ特打に登場したエリック・キャンベル内野手(29=メッツ)に対し打撃投手役を務めて、実力の片りんを見せた。直球に詰まったキャンベルはファウルを連発。35球を投じて安打性の当たりを3本に抑えるなど、金本監督や坂井オーナーなど視線を集めたマウンドで堂々の“デビュー戦”を飾った。

 一足先にランチ特打を終えた福留、鳥谷が、そのままグラウンドに残っていた。三塁側から小走りに登場したのは、ドラフト2位の小野だ。キャンベルのランチ特打に打撃投手役として登板。通常は主役の練習相手となるはずだったが、投げ込んだ球が「主役がどちらか」を物語っていた。

 全て直球で35球。もちろんキャンベルは直球だと分かった上で打席に入っている。快投ショーは、見逃しストライク2球から始まった。7球目は後ろへファウル。9球目は右翼線へ越えてファウル…。前に飛ばない。ボールが10球あったとはいえ、見逃しを4球奪うなど球に威力があった。

 ゆったりとした投球フォームから、「指先のリリースに力を入れる感じ」という予想以上の球速が打者を翻弄(ほんろう)する。遊ゴロの当たりが2度あった以外は、キャンベルも引っ張ることができず、9つのファウルを奪った。安打性3本のみという成績に、小野は「初めて打者相手に投げて、思ったより良かった。指に掛かったときは、そこそこいい球がいっていた」と納得顔。しかし、それ以上に周囲がざわついた。

 見守った坂井オーナーは「差し込めていたような感じがしたし、いい投手やなと思いました。関本君や評論家に聞いてもいいと言われていた」。スポニチ本紙評論家の関本賢太郎氏にも自ら取材してニンマリ。さらにネット裏にはセ・リーグ5球団のスコアラーが陣取り、球質をチェック。巨人の森中スコアラーは「オーナーさんも見ている中で、ボールに乱れもなく冷静だった。先発ローテに入るだろうから、これからも追いかける。キャンベルも(初の投手との対戦が小野では)かわいそうだったね」と助っ人を哀れむ本音まで飛び出した。

 4日にブルペン入りした際には、金本監督が「素材は一級品」と絶賛。7日にブルペンで変化球を解禁すると、他球団スコアラーが警戒。投げる度に評価を上げたが、またも小野株が上昇した。「スピードガンよりも、ベース上での伸びや切れ」と評価した金本監督は「(打者相手でもブルペン投球と)遜色ない。逆に、良いくらい。評判が良いから、みんな見に来ていたね。オーナーまでね。それだけ評価も高くて、期待も大きいということだからね」と再び目尻を下げた。

 直球とはいえ、無意識のうちに外角にはカット、内角にはシュートぎみに変化した球もキャンベルを苦しめたようだ。香田投手コーチは、キャンプ終盤の実戦デビュー前にもう一度、フリー打撃かシート打撃での登板を予定。「実戦で投げたら一番分かる。レベルアップにはいい」と小野は待ちわびた。虎党も期待に胸が膨らみそうだ。 (鶴崎 唯史)

 ▼ヤクルト・衣川スコアラー プレートの一塁側を踏んでいるのに、右打者の真っすぐが思ったよりいい。黒田さんや野村もそうでした。外の真っすぐのラインが良かった。

 ▼広島・玉山スコアラー キレと球の伸びを感じた。フォームも柔らかくて球持ちもいい。

続きを表示

この記事のフォト

2017年2月13日のニュース