野球復活も課題山積…大リーガー参加不透明 出場枠分配どうする?

[ 2016年8月5日 06:40 ]

復帰が決まりポーズをとる(左から)日本ソフトボール協会の徳田会長、全日本野球協会の市野会長、プロ野球の熊崎コミッショナー

20年東京五輪追加5種目正式決定

(8月4日)
 競技復帰を果たした野球だが、課題は山積している。IOC総会の採決前の議論で張雄委員(北朝鮮)が「(リオデジャネイロ五輪で復帰する)ゴルフはウッズ(米国)らトップ選手が来ると言っていたのにそうならなかった。野球は保証できるのか」と指摘。アリ委員(パキスタン)も「(交渉が)うまくいかなかったらどうするのか」と大リーグのトップ選手参加が不透明な状況を懸念する声が上がった。

 24年五輪の開催地は来年9月に決定されるが、大リーガーの参加の見通しが立たなければ、復活は一過性になる。熊崎コミッショナーは「MLBと今後とも意見交換をしていく。24年に定着している道を開いていかないといけない」とした。

 試合は9イニング制で行われるが、参加人数の制約の中で、1チーム24人で、6チーム(これまでは8チーム)の大会となる。大陸間の出場枠分配をどうするか。また、メイン会場に内定している横浜スタジアムだが、使用制限期間や補償などの細部の詰めがある。組織委は東日本大震災からの「復興五輪」をテーマに掲げており、一部試合の福島開催の検討も急がれる。

 ≪野球&ソフトボールの五輪除外からの経緯≫

 ▼05年7月 国際オリンピック委員会総会で投票が行われ、12年のロンドン五輪から2競技の除外が決定。

 ▼08年8月 北京五輪でソフトボール日本代表が金メダル獲得。野球は4位で終了。

 ▼09年8月 IOC総会が行われるも、2競技について特別な議論はなし。16年のリオ五輪でも除外が決定。

 ▼13年4月 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が発足。20年の復活を目指す。

 ▼同年9月 20年の開催地が東京に決定。しかし、実施競技の最後の1枠はレスリングで、2競技は依然除外。

 ▼同年11月 IOC・バッハ新会長が「個人的には(競技数増加に)柔軟性があっても良い」と持論を展開。

 ▼14年11月 IOCが、バッハ会長が進める中長期改革「五輪アジェンダ2020」の40項目の提案を発表。28の夏季五輪競技枠の撤廃などが盛り込まれる。

 ▼同年12月 IOC臨時総会が開かれ、開催都市が実施種目の追加を提案できるなどの改革案が採決される。

 ▼15年9月 20年東京五輪・パラリンピック組織委員会が、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技、計18種目の実施を提案。

 ▼16年6月 IOCは理事会で追加種目として野球・ソフトボールなど5競技18種目を8月の総会に一括提案することを決める。

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2016年8月5日のニュース