早大・有原 156キロ右腕「優勝して胸張ってプロに」

[ 2014年1月3日 05:30 ]

今秋ドラフト1位候補の早大・有原

 今秋ドラフトの目玉は、早大の有原航平投手(3年)だ。東京六大学野球でリーグ戦通算13勝を挙げている有原は、最速156キロを誇る大型右腕。入学時から目標に掲げていたプロ入りへ向け、いよいよ大学ラストイヤーに臨む。また、高校生では済美(愛媛)の157キロ右腕・安楽智大投手(2年)に注目が集まる。

 決して遠回りではなかった。早大のエース番号「11」を3年時から背負う有原は、大学で着実にレベルアップしてきた。直球の最速は1年時から6キロ上がり156キロを計測。堂々の今秋ドラフト1位候補だ。

 「大学に入る時、高校からプロに入った選手に負けない4年間にしようと思っていた。小さい頃からプロに行きたいと思っていたので、1位で指名してもらえるようにやっていきたい」

 広陵(広島)では10年センバツで4強入り。当時から超高校級右腕と騒がれ、プロ志望届を提出すればドラフト上位指名は間違いなし、と言われていた。だが、夏の大会前に右肘を痛めたこともあり、プロ入りよりも進学を選択。早大では1年春から神宮のマウンドに上がり、昨秋リーグ戦では最優秀防御率(0・72)のタイトルも獲得。通算13勝を挙げるなど、大学球界を代表する投手に成長した。ヤクルト・山田、巨人・宮国ら、プロで実績を積む同い年の選手を意識しながら、同じ舞台に上がることを目標にしてきた。

 小2で野球を始めて以来、投手一筋。「小さい頃からフォームはいじられたことがない」という。最も腕が振れるスリークオーターのフォームは、体に染みこんでいる。カットボール、ツーシームなど変化球も多彩で、大舞台での経験も有原の財産。ネット裏のスカウト陣は「間違いなく1位で消える投手」と口をそろえ、各球団は早い時期からマークを続けている。

 最終学年になった冬場は、ランニングで先頭を走るなど自覚も十分。走り込みやウエートトレーニングで追い込み、下半身はどっしりしてきた。「結果が求められる一年になる。もっと努力しないといけない。(岡村)監督さんからはベストナインを獲ることが大事と言われている。自分が勝てばチームの優勝にも近づくと思う」と残り2シーズンでのフル回転を誓った。

 相手チームからはマークされ、周囲の期待も背負う。プレッシャーとの闘いも待っているが「去年は優勝できなかったので、最後はベストナインを獲って優勝して、胸を張ってプロに行きたい。今まで以上に気合を入れていく」。4年間の成長を神宮で見せ、1位指名でプロの世界に飛び込む。そのためのラストイヤーとする。

 ◆有原 航平(ありはら・こうへい)1992年(平4)8月11日、広島県生まれの21歳。小2から野球を始め三和中では軟式野球部に所属。広陵では2年春からベンチ入りし同年秋からエース。3年時にセンバツ4強、夏は甲子園初戦敗退。早大では1年春にリーグ戦デビュー。通算50試合で13勝10敗、防御率3・01。1メートル88、90キロ。右投げ右打ち。

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2014年1月3日のニュース