上原 また2発…また勝てなかった

[ 2008年4月9日 06:00 ]

<横・巨>7回無死 吉村に同点ソロを浴びた巨人・上原 

 【巨人3-3横浜】また勝てなかった――。巨人は8日、横浜を相手にエース上原浩治投手(33)が先発したが、ソロ2発を被弾するなどしてリードを守りきれず7回3失点で降板。チームは延長12回の末に引き分けで最下位脱出にも失敗した。開幕10戦で2勝7敗1分けの“逆ロケットスタート”。何をやってもうまくいかない原巨人がもがき、苦しんでいる。

 負けなかった。それでも勝ちきれなかった後味の悪い雰囲気だけがベンチに充満した。今季初の延長戦を引き分けで終えた原監督は、10度を切る寒気の中で淡々と試合を振り返った。
 「どのプレー、このプレーとは言わずにね。チームとしてスキがありますね。スキのないチームにしないと勝ち星は上がってこない」
 今季2度目の先発マウンドに上がった上原が、またしても2発に泣いた。初回に先制を許すと、味方が逆転した直後の5回は先頭の相川に初球のフォークを左翼席に運ばれた。7回には同じく先頭の吉村に0―1からの直球をバックスクリーン横まで飛ばされた。試合終了から1時間後に姿を見せた上原は「もったいないのひと言。前回の反省が全く生かされていない」と振り返った。
 4日にFA権を取得。前日7日に今オフのメジャー挑戦を堂々と宣言した。「この話はきょう(7日)で終わり。シーズンに集中したい」とけじめをつけて臨んだ一戦。1日の中日戦(東京ドーム)でも3点の援護をもらいながら、2本塁打で逆転負けを喫した。勝てる投手の鉄則とも言える、先頭打者必殺。6安打中、4本が回の先頭打者に許した投球が、そのまま勝ち運を呼び込めない原因となった。
 上原が開幕から2試合を投げて勝ち星が付かなかったのは、抑えだった昨年を除けば03年以来2度目。7回で10奪三振3失点。原監督は「自分の中で3点をどう受け止めるか。合格?その辺は1つの考え方でしょうね」と、エースにより高いレベルを求めれば上原は「最低限の仕事やね」と2本塁打を悔しがった。
 この日は瞬間最大風速21・9メートルの強風に、小雨の交じる悪条件が重なった。5回に阿部の適時打、坂本の2試合連発となる2ランで一度は試合をひっくり返した。だが、延長10回に木村拓がバントを失敗。11回無死二塁でも脇谷がバントを決められず、小笠原が三振併殺に倒れた。エースがリードを守りきれず、勝ち越し機をミスで逃した引き分けだけに、ダメージは大きい。
 最下位脱出はならず、チームは10試合を終えて2勝7敗1分け。「チームが負けなくて良かった。勝てば最高やけどね」と上原は言ったが、投打でスキを見せた結果の痛いドローだった。

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2008年4月9日のニュース