【女子マラソン】酷暑で追い上げ不可能…「常に先頭集団」がメダル条件―有森裕子の目

[ 2021年8月8日 05:30 ]

東京五輪第16日 女子マラソン ( 2021年8月7日    札幌大通公園 )

<女子マラソン>力強い走りを見せる一山(中央)(撮影・吉田 剛)
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 酷暑のレースで、しかもスタートからスローペースだったことを考えれば、常に先頭集団の中にいるということがメダルを獲るための最低条件でした。あの暑さの中で後方から追い上げていくことはまず不可能だからです。日本勢で一山だけが30キロすぎまで粘れたのは、最初からずっと先頭集団の中で走れていたからで、鈴木と前田が早々と脱落してしまったのは残念でした。

 一山は体つきが今までのレースの時よりも少し絞り切れていないような印象を受けました。粘ってはいたのですが、30キロ以降の肝心の勝負どころで持ち前のパワーが感じられませんでした。

 前夜に突然、スタート時間の繰り上げが決まったことがどれだけ勝敗に影響したかは選手によって違うので一概には言えません。ただ、早朝のレースの時はだいたいスタートの5時間前に起床し、その6時間前ぐらいには就寝します。選手の体調を考えれば、もう少し早く決めてあげることができなかったのかなという疑問は残りました。(日本陸連副会長、五輪連続メダリスト)

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