レスリング金・須崎の姉・麻衣さんから妹へ「優衣、私の夢を実現してくれてありがとう」

[ 2021年8月8日 05:30 ]

東京五輪第16日 レスリング女子50キロ級決勝 ( 2021年8月7日    幕張メッセ )

仲良し姉妹の須崎(左)と姉・麻衣さん(家族提供)
Photo By 提供写真

 女子50キロ級で優勝した須崎の姉・麻衣さん(26)がスポニチ本紙に手記を寄せた。同じ早大レスリング部出身で幼少期からの素顔を知る姉が、天才少女の成長の軌跡を明かした。

 優衣、おめでとう。そして優衣の金メダルが私の夢でもあったので、実現してくれてありがとう。開会式の行進で良い顔をしていたから、きっとやってくれると思っていたよ。

 私は小学生で一度レスリングから離れたけど、優衣が始めたからまた一緒に頑張ろうって気持ちになれました。最初の頃は練習中にトイレやカーテンの後ろに隠れて遊んだり、本当に普通の女の子で、まさか五輪でメダルを獲るような選手になるとは思わなかったよ。2人とも日曜の練習帰りに連れて行ってもらうお寿司が楽しみで通っていたよね。でも、負けず嫌いで努力家なところは変わってない。4歳違う私とは体格差もあったのに勝つまでスパーリングをお願いしてきたし、腕立ても腹筋も言われた回数より必ず1回多くやっていた姿はよく覚えています。

 優衣がエリートアカデミーに入って家を出てからは、帰省するたびに凄く強くなっていると感じていました。初めての全日本選手権で2位に入ったり、世界選手権代表になったり。最初は私も負けていられないと思っていたけど、少し遠い存在になって、ライバルというより応援したい気持ちが強くなりました。寂しさはなくて、本当に成長が楽しみだったよ。

 緊急事態宣言は優衣が家に帰ってきて、大変な時だったけど久しぶりに家族4人そろって楽しい時間でした。弱音を吐かずに部屋で黙々と練習して、私にも何かできることはないかと土日は一緒に階段ダッシュや打ち込みをしたね。優衣が五輪に向けて努力をし続けてきたことは知っています。

 一度東京五輪が難しくなった時はとても落ち込んでいたけど、すぐに「頑張っていたら何か良いことがあると信じる」と連絡をくれたよね。本当にその通りになったと思います。ここまで気も張り詰めていたと思うので、ゆっくり休んで、焼き肉とかおいしいものを食べに行こうね。お疲れさまでした。

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2021年8月8日のニュース