ソフト20歳の後藤、上野からエース継承だ 大会6戦10回2/3を無失点22K「最高の気分」

[ 2021年7月28日 05:30 ]

東京五輪第5日 ソフトボール決勝   日本2ー0米国 ( 2021年7月27日    横浜 )

<日本・米国>6回、好救援を見せた後藤(撮影・北條 貴史)
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 ソフトボール日本代表は20歳の後藤希友(みう)投手(トヨタ自動車)が無失点リレーに貢献した。6回無死一塁で、上野の後を受けて登板。先頭を三振。安打でピンチを広げながらも、遊撃・渥美の美技に助けられてスコアボードに0を記した。

 「今までの4試合とは、違う空気を感じました。高ぶっていたというか、興奮し過ぎていたところがあった。ひやひやしました」

 国内では機会が少ないナイターだが、1年前から対策をしてきた。昨年1、2月のオーストラリア合宿で「夜の練習でサインが見えなかった」と、帰国してすぐにメガネを作った。裸眼は左右ともに0.7だった。はっきりとした視界で、強力な米国打線に恐れずに投げ込んだ。

 国際大会の出場経験がほとんどなかった20歳が、地元開催の五輪で大ブレークした。6試合に救援登板。10回2/3を投げて、22三振も奪った。最速113キロの直球とチェンジアップで、奪三振ショーを繰り広げた。

 24年パリ五輪で再び競技から外れることが決まっている。28年ロサンゼルス五輪での復帰を目指す。その時はもう上野は代表にいない可能性が高い。これからは左腕が新しく日本を背負って立つ。無観客ながら地元開催でつかんだ自信は、大きな財産になった。

 「国民の皆さまが応援してくれていることを感じながら投げることができました。一生に一度しかない東京での五輪を、人生の中で経験することができた。最高の気分を味わうことができました」

 高卒でトヨタ自動車に入社してから髪を伸ばし始めた。最初は、今年1月の成人式のためだった。しかし、周囲から「長い方が似合っている」と言われ、式典を終えてもハサミを入れなかった。一つにまとめた髪を揺らしながら、剛速球を投げ込んだ。ポニーテールのサウスポーはテレビの向こうにいる人の心を確実に捉えた。

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