金メダルの新井千鶴 支えてくれた家族に涙声で感謝「どんな時も千鶴は強いと言い続けてくれた」

[ 2021年7月28日 20:21 ]

東京五輪第6日 柔道女子70キロ級 ( 2021年7月28日    日本武道館 )

<柔道女子70キロ級決勝>金メダルを獲得し抱き合い喜ぶ新井(右)(撮影・会津 智海)
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 柔道女子70キロ級の新井千鶴(27=三井住友海上)が、決勝でポレレス(オーストリア)を破り、金メダルを獲得した。同階級では、リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した田知本遥に続く日本勢の連覇となった。

 決勝は“スムーズ”に勝った。1分8秒に小外刈りで技ありを奪い、試合を優位に進めた。そして、最後まで落ち着いて攻め続け、相手に反撃のチャンスを与えず、優勢勝ち。金メダルが決定すると、新井の顔から自然と笑みが漏れた。

 準々決勝までは順当に勝ち上がったが、準決勝で大きな山が待っていた。これまでの試合で右目の上を腫らしたタイマゾワとは死闘と呼べるほど激戦で試合時間16分41秒を費やした。最後は送り襟締めが決まり一本勝ち。決勝の前の長丁場で疲労が心配されたが、見事に乗り越えて金メダルを手繰り寄せた。

 金メダルが決まると新井は「うれしいです。その一言です」と率直な思いを口にした。優勢だった決勝戦も最後まで攻め続けたことには「一本取りに行こうという気持ちで、最後悔いを残してこの大会を終わらないように、攻め切ろうと思いました。この舞台に立つために、本当に一年一年、自分が一番になるんだという思いで、一日一日を積み上げてきたので、そういう自分に悔いだけは残したくないと思って、気持ちで戦いました」と胸の内を語った。

 そして、感謝の言葉が自然と口をついた。「たくさんの方に支えられて、ここまで来られた。全ての人に感謝したいです」。リオ五輪の代表入りを逃してからの5年以上の日々については「何度もくじけそうになったが、自分の信念を変えずに、ここまでやってきて、しっかり結果もついてきてよかったです」と話し、母親に報告を、と求められると、「獲りました!」と涙をこらえながら絶叫。「本当に家族が一番の味方ですし、どんな時も千鶴は強いと言い続けてくれたので、両親、兄をはじめ、たくさんの方に感謝の気持ちでいっぱいです」と最後は涙声で話した。

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