御所実 逆転で花園切符、来年定年の竹田監督へ FWリーダー平井「日本一を取って恩返ししたい」

[ 2020年11月8日 18:39 ]

第100回全国高校ラグビー大会奈良県予選 決勝   御所実19―14天理 ( 2020年11月8日    橿原公苑陸上競技場 )

<御所実・天理>12―14で迎えた後半7分、天理守備陣を振り切って笑顔で逆転のトライを決める御所実のNo・8蓑洞功志
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 26年連続で同じ顔合わせとなった決勝は、昨年花園準優勝の御所実が3トライなどで一時、9点あった差をひっくり返し、2年連続13度目の優勝を果たした。

 「よう頑張った。ホント、よう頑張った。やり切ったよ。やり切った。みんな、みんな、やり切った」

 優勝を勝ち取った教え子が泣きながら引き揚げてくる。その一人一人とベンチ前で抱き合った御所実の竹田寛行監督(60)の目にも涙があふていた。

 「試合前にオレのために花園に行くなんか言うなよと言ったんですけどね」

 竹田監督は来年3月に定年を迎える。監督としての続投は決まっているが、高校ラグビーを人間教育の場と考え、監督であるよりも教師であることを大切にしてきた同監督にとっては大きな節目となる。ただ、それを選手に意識させたくはない。そのため試合前のミーティングでしっかりと念を押したつもりだったが、この言葉で選手はより一層燃えた。

 「一度も取ってない日本一を取って監督に恩返ししたい。去年負けた時にみんなで決めたんです」とは昨冬、御所実4度目の花園準Vを経験したFWリーダーのロック平井半次郎(3年)。風下に立った前半こそ、苦戦を強いられたが、前半終了間際には敵陣22メートル付近から伝統のドライビングモールでトライを奪うなど一時、9点あった差を自慢のFW戦でひっくり返した。
 
 コロナ禍の影響により今年3月から4カ月間は思うような練習ができなかった。チーム作りの遅れを7月からの4カ月間で取り戻すことは出来ず、宿敵天理との大一番を前に不安もあったが、勝負どころで威力を発揮したのは竹田監督が1989年の監督就任以来、こだわり続けてきたモールだった。「こういうゲームは練習してきた方が勝ちなんですよ。ウチは練習できてなかったんですけどね。ディフェンスにもあちこちに穴がありました。あと1カ月半。バージョンアップして花園に行きます」と竹田監督。伝統のモールと守備にさらに磨きをかけて聖地に乗り込む。
 

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2020年11月8日のニュース