ヒートのバトラーは無念の終戦 スポールストラ監督は新・大黒柱の奮闘を絶賛

[ 2020年10月12日 15:24 ]

NBAファイナル第6戦   ヒート93―106レイカーズ ( 2020年10月11日    オーランド )

ヒートのバトラーにマークされるレイカーズのジェームズ(AP)
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 ヒートの大黒柱として活躍したジミー・バトラー(31)は「チームとマイアミのために貢献したかった。優勝するために自分はここに来た。だからそれを成し遂げられなかったことは悔いが残る」と、45分出場しながら12得点に終わった第6戦の内容に納得がいかない様子だった。

 しかしファイナル6試合では5試合にわたって45分以上出場し、平均22・8得点、6・6リバウンド、9・9アシストをマーク。第3戦と第5戦ではいずれも30得点以上(40得点+35得点)でトリプルダブルを達成して勝利に貢献するなど、MVPとなったレブロン・ジェームズ(35)に匹敵する活躍を見せた。ジェームズを擁して2度のファイナル制覇を経験しているエリック・スポールストラ監督(49)は「彼(バトラー)は素晴らしいプレーヤーでありリーダー。精神的な支柱でもあった」とファイナルでの活躍を称賛。「故障者もいたのによくぞここまでやってくれたと思う。これから何が起ころうとも、私はこのファイナルを忘れない」と堂々と戦い抜いたバトラーを含む全選手にねぎらいの言葉を投げかけていた。

 レイカーズにはジェームズ、アンソニー・デービス(27)、ドワイト・ハワード(34)と3人のドラフト・トップ指名選手がいるが、ヒートではドラフト外入団のダンカン・ロビンソン(26)とケンドリック・ナン(25)がプレーオフでは貴重な戦力として活躍。第1戦でベテラン・ガードのゴラン・ドラギッチ(34)が左足を負傷すると、第2戦からは新人のタイラー・ヒーロ(20)がファイナル史上最年少の先発選手としてレイカーズに立ち向かっていった。

 バトラーも最初はテキサス州のタイラー・ジュニアカレッジに入学した元・無名選手。マーケット大(ミルウォーキー)での活躍が認められて2011年、ブルズにドラフト1巡目で指名されたが、全体では30人目の指名選手だった。ブルズ→ティンバーウルブス→76ersとトレードで3回移籍。しかし自身の成長と、それに“共鳴”するかのようにNBA入りするまではさほど評価の高くなかった選手たちがステップ・アップし、東地区の第5シードからレイカーズをしのぐ“進化”を見せてファイナルまで駆け上がっていった

 かつてレイカーズの監督としてファイナルを4度制しているヒートのパット・ライリー球団社長(75)は、バトラーと今季の球宴に出場したバム・アデバイヨ(23)に加え、オフにチームの3本柱となる実力派の選手の獲得に動くかまえ。バトラーも「またここに戻ってくる。そう信じてほしい」と来季の優勝を口にしており、ヒートの巻き返しが注目されるところだ。

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