世界最速でラグビーを再開したNZ…姫野和樹 海外挑戦の背景

[ 2020年10月12日 16:23 ]

姫野和樹
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 ラグビートップリーグ(TL)のトヨタ自動車は12日、昨年のW杯で活躍した日本代表のNo・8/フランカー姫野和樹(26)が、スーパーラグビー(SR)のハイランダーズに期限付き移籍すると発表した。期間は来年1~6月で、来季のTLには出場せずに海外挑戦することが決まった。

 新型コロナウイルスの影響で、今年の春先には世界中のリーグが中断を余儀なくされた中、厳しい都市封鎖を敷いたニュージーランドは感染拡大防止に成功し、6月中旬には世界に先駆け「スーパーラグビー・アオテアロア」として国内公式戦を再開。前日11日にはブレディスロー杯(ニュージーランド―オーストラリア戦)がコロナ禍初のテストマッチとして、首都ウェリントンで開催されている。

 20年シーズンまではニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、そして日本の5カ国をまたぐ国際リーグだったスーパーラグビーだが、コロナ禍によってリーグ再編は必至。現在のところ大会フォーマットや日程は未確定だが、国内リーグとしていち早く再開した実績を作ったニュージーランドでは、来年もどんな形であれ、リーグが開催される可能性が高い。

 欧州でも各国リーグが再開されているが、フランス1部リーグでは松島幸太朗(27)の所属するクレルモンが、相手チームのスタッフに新型コロナ感染者が発生したことで、11日の試合が延期に。こうした例は続出しており、まだまだ安心してプレーできる環境が整っているとは言い難い。

 以前から海外挑戦に強い意欲を示していた姫野。FW第3列としてフィジカル面はもちろん、高いスキルとフィットネスを求められるニュージーランドは、自己を磨くために最も適した環境と言える。それに加えて現実的にプレーできる可能性を求めた結果が、ハイランダーズへの期限付き移籍を後押ししたものとみられる。

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2020年10月12日のニュース