ワセダ 8年ぶり対抗戦V王手、慶大下す 12・2運命の早明戦

[ 2018年11月24日 05:30 ]

<早大・慶大>後半28分、早大・中野(右)がトライを決める=左は慶大・江崎(撮影・沢田 明徳)
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 第95回早慶戦は創部100周年の早大が21―14で勝ち、2010年以来8年ぶりの対抗戦グループ優勝に王手をかけた。SO岸岡智樹(3年)が先制の55メートルDGを決めるなど、巧みなキックで試合を支配。後半にFB河瀬諒介(1年)のカウンターなどから2トライを加えた。通算成績は早大の68勝20敗7分けとなった。早大は1敗で帝京大、明大と並び、12月2日の早明戦(秩父宮)は両校に優勝が懸かる。

 8年ぶりの優勝が、くっきりと浮かび上がった。V戦線の行方を左右する早慶戦で、生き残ったのは早大。殊勲の活躍を見せた司令塔の岸岡は「試合のテーマは“ディフェンスで勝つ”。みんな頑張れた」と冷静に振り返り、1年生のFB河瀬も「大歓声でも落ち着いてプレーできた」と声を弾ませた。

 “伝家の宝刀”を抜いた。0―0のまま迎えた前半25分、自陣でパスを受けた岸岡が55メートルから度肝を抜く先制DG。「ワンチャンの賭けだった」。風上を計算して蹴り上げ、出はなをくじいた。全学年でただ一人の教育学部数学科。数字に強く、チームメートに「来ないでくれ」とからかわれる理論派の真骨頂だった。大学では公式戦初のDG成功。相良監督も「ワールドクラス」とうなったキックが、突破口となった。

 新たな才能も覚醒した。河瀬の見せ場は11―7の後半13分。カウンターから右隅を突破し、東海大仰星時代からコンビを組むWTB長田へパス。「右にスペースがあることは分かっていた。後ろから声が掛かったのでパスした」。かつて「怪物」として名をはせた父・泰治さん(摂南大監督)のDNAが、流れを引き戻した一プレーに宿った。

 伝統の一戦で4年連続の白星で、1敗を守った。対抗戦制覇は明大戦に懸かる。河瀬にとっては父の母校。右足首を痛めたが「治して出たい。絶対に負けられない」と決意をにじませる。岸岡も「(DGを)もしかしたら狙う」と不敵に笑った。運命の12・2。役者のそろった名門ワセダに、頂点に立つ準備はできている。

 ▽優勝の行方 対抗戦グループは勝敗数のみで争うため、1敗の帝京大、明大、早大に可能性がある。早大と明大は早明戦で勝った方が優勝。帝京大が12月1日の筑波大戦に勝ち1敗のままなら2校同時優勝、負ければ単独優勝となる。大学選手権へ進むための順位付けは、2校が同じ成績の場合は当該対戦で決定。帝京大と早大が両校優勝なら帝京大が1位扱い、帝京大と明大の場合は明大が1位扱いとなる。

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