貴親方処分保留…八角理事「弁明聞いて判断」28日臨時理事会

[ 2017年12月21日 05:30 ]

相撲協会臨時理事会

相撲協会臨時理事会で八角理事長(右手前から2人目)の真正面に座る貴乃花親方(左端)と後方を気にする伊勢ケ浜親方(右から2人目)
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 貴乃花親方(45=元横綱)の処分は保留となった。日本相撲協会は20日、元横綱・日馬富士(33=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ)の暴行事件に関する臨時理事会を開き、関係者の処分を決めた。現場に同席していた横綱・白鵬、横綱・鶴竜を減俸。日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)の理事辞任を了承し、役員待遇に事実上の降格とした。八角理事長(元横綱・北勝海)も役員報酬の自主返納を決めたが、貴乃花親方についてだけは先送り。28日に再び臨時理事会、評議員会を開いて決定することになった。

 貴乃花親方は午後2時30分すぎに理事会が終わると無言で迎えの車に乗り込み、東京都江東区内にある貴乃花部屋に戻った。部屋の前でも大勢の報道陣に囲まれたが、一言も発することなく建物の中に姿を消した。

 伊勢ケ浜親方や白鵬ら暴行事件の関係者の処分がすんなり決まる中で、注目された貴乃花親方の処分は先送りとなった。理事会後に会見した八角理事長は「次回の理事会までに貴乃花理事の弁明を聞いて、その結果を踏まえて判断する」と明かした。

 貴乃花親方は検察の判断が出るまで、危機管理委員会による貴ノ岩の聴取を拒否する姿勢を打ち出していた。だが、事態は前夜急転。貴乃花親方は、危機管理委による貴ノ岩への聞き取りに協力することをFAXで連絡。その経緯について高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)は「“検察から、貴ノ岩が聴取に応じることは差し支えがないと言われた”と親方から連絡があった」と話した。これを受け、高野委員長らが貴ノ岩と対面し、ぎりぎりのタイミングで最終報告書の提出にこぎつけた。

 貴ノ岩の聴取が終わったことで、今後は貴乃花親方の処分が焦点となる。危機管理委は報告書で「親方は巡業部長として、貴ノ岩の受傷を把握した直後か、遅くとも被害届の提出後には速やかに協会へ報告すべきだった。しかし一切の報告をしなかった」と指摘。そのうえで「親方の聴取を行った後にその責任の有無、軽重等について評価すべき」と言及した。また、理事会に先立って行われた横審でも、貴乃花親方は報告義務を怠ったとして「非難に値する」(北村委員長)と注文をつけられていた。協会関係者は理事降格などの処分が下される可能性を示唆しており、貴乃花親方の聴取での発言が注目される。

 この日、危機管理委は一度は貴乃花親方に聴取を打診したが、断られたという。今後の聴取時期について高野委員長は「早いうちにということで理解してもらっている」と説明していた。

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2017年12月21日のニュース