白鵬に横審激辛「横綱相撲と言えない」ファンからも取り口批判

[ 2017年12月21日 05:30 ]

横審臨時会合

両国国技館を出る横綱の白鵬
Photo By 共同

 日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)は20日午前、両国国技館で臨時会合を開き、元横綱・日馬富士の暴行事件の酒席に同席していた白鵬(32=宮城野部屋)、鶴竜(32=井筒部屋)の両横綱に対し、暴行を止められなかったとして厳重注意を進言することを決議した。また、白鵬については、ファンから取り口についての批判があることまで説明。相撲内容の改善にまで言及した。

 前人未到の40度の優勝を誇る大横綱に対し、横審が厳しい意見を浴びせた。臨時会合では、(1)暴行事件の加害者である元日馬富士、(2)現場に同席しながら暴行を止められなかった白鵬、鶴竜、(3)九州場所の優勝インタビューなどでの白鵬の言動――について議論された。会合後の会見に出席した北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は、それらの議題に対する進言などを公表した後に、白鵬の相撲内容についても口を開いた。

 「(暴行事件が発覚後に)委員会あて、私個人あてに相当の投書があった。その大部分は白鵬の取り口についての批判だった」と切り出した。具体的な内容にも触れ、「張り手、かち上げが15日間のうち10日以上ある。これは“横綱相撲とは言えない”“美しくない”“見たくない”という意見だった」と明かした。さらに、これらの声は今回に限ったことではないという。「横審メンバーが会合で話をする時に、ほとんどの人がそう言っている」と付け加えた。

 横審はこれまでも、横綱の相撲内容に言及することはあったが、ここまで批判的な意見を前面に出すことは珍しい。北村委員長は、その理由について「横審というものが相撲協会と世の中を結ぶ一つの大事な中間にある場所であるということから」と説明した。

 「横綱相撲」という言葉の意味は、人それぞれ受け止め方が違うが「正々堂々と闘う」という意味合いも含まれている。張り手、かち上げは、反則技ではないが、「正々堂々」とはかけ離れている。北村委員長は「白鵬自身の自覚をどう促すかということであろうと思う。“協会としても工夫、努力してほしい”という意見もあった」とも話した。

 白鵬は来年初場所(1月14日初日、両国国技館)で横綱在位63場所となり、史上最多の北の湖に並ぶ。幾多の記録を手にしてきた大横綱が、これらの声をどう受け止めるのか。相撲内容が注目される。

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