白鵬 柔よく柔道家制す リオ五輪銀・原沢ぶん投げた

[ 2017年7月4日 05:30 ]

柔道日本代表の原沢を投げ飛ばした白鵬
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 横綱・白鵬(32)が3日、名古屋市内の宮城野部屋で体験入門した柔道男子日本代表に貫禄を見せつけた。リオデジャネイロ五輪男子100キロ超級銀メダリスト、原沢久喜(25=日本中央競馬会)を豪快に投げ飛ばすなど、名古屋場所(9日初日、愛知県体育館)に向けて順調な調整ぶりを見せた。

 これぞ最強横綱たるゆえんだ。1メートル91、125キロと柔道界屈指の大型選手とされる原沢の押しも、動かぬ山のように受け止めた。投げにも動じず、逆に土俵に転がし余裕の表情。白鵬は「細いけど粘り腰がある。(原沢は)自分と似た柔らかさがある」と褒めたが、砂まみれの銀メダリストは「全く動かない。人生で初めてあんなに軽々と持ち上げられました」と脱帽した。

 8月に始まる世界選手権(ブダペスト)100キロ級代表で米国人の父を持つウルフ・アロンも体験入門に参加。関取衆から勝利を挙げる場面もあったが、白鵬については「横綱の体を見て半端じゃないと衝撃を受けた。山を押している感じ。上には上がいると学びました」と驚きを隠せなかった。

 今回は日本代表の鈴木桂治コーチが白鵬側に依頼して異種格闘技の対戦が実現。1泊2日の強行軍で選手4人が宮城野部屋に訪れた。鈴木コーチは「あれだけ息上がる原沢を久々に見た」と話す。世界トップクラスの男が音を上げるほどの運動も淡々とこなす白鵬の体力に「強い者はどうあるべきか。横綱の姿勢が勉強になる」と舌を巻いた。

 桁違いのパワーは健在、精神面の充実も印象づけた白鵬は、元大関・魁皇の持つ歴代最多1047勝まであと11勝に迫っている。この日は友綱部屋勢も出稽古に訪れて、名古屋入りしてから初めて他の部屋の関取衆と胸を合わせた。きょう4日には名古屋場所前では初めて出稽古を予定。「大記録が懸かっている場所前に世界選手権に出る方たちに元気をもらい、刺激を受けた」と気合を入れ直した。

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2017年7月4日のニュース