ジェームズ自宅に人種差別の落書き NBAファイナル開幕前日に衝撃走る

[ 2017年6月1日 12:43 ]

差別用語がスプレーで書かれていたジェームズ邸の門(AP)
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 NBAの王者を決めるファイナルは1日(日本時間2日)にカリフォルニア州オークランドで幕を開けるが、決戦前日となった5月31日、キャバリアーズの大黒柱、レブロン・ジェームズ(32)に衝撃が走った。

 ロサンゼルスの高級住宅街、ブレントウッドに所有している第二の自宅の正門に「N」で始まる黒人蔑視の差別用語をスプレーで書かれたもので、警察当局は器物損壊とヘイトクライム(憎悪犯罪)の容疑で捜査を開始。ジェームズはファイナル初戦が行われるカリフォルニア州オークランドに滞在し、家族はオハイオ州アクロン郊外の実家にいたために事件に巻き込まれることはなかった。

 オークランドで会見に臨んだジェームズは「どんなにお金を持っていても、どんなに有名になっても、どんなに人から尊敬されようと、アフリカ系アメリカンであることはこの国ではつらいことなんだ。平等に扱われていることを実感するまでの道のりはまだまだ長い。しかし家族は全員、無事。それが今は一番大事なことだ」と複雑な心境を吐露した。

 シーズンMVPに過去4回選出されているジェームズは、自身が参画している会社がワーナー・ブラザーズ・エンターテイメント社と契約した2015年にセレブの豪邸が立ち並ぶブレントウッドに2000万ドル(約22億2000万円)で敷地面積が877平方メートル(268坪)ある一軒家を購入。夏の間は、サバナー夫人と3人の子どもたちとここで暮らしている。

 NBAファイナルは3年連続同一カードとなるキャバリアーズとウォリアーズの対戦で、ジェームズ自身はヒート時代を含めて7年連続の出場。対戦相手が同じカリフォルニア州に本拠を置くウォリアーズだったことも今回の事件につながったではないか、という見方もある。

 ジェームズは「自分は今、スポーツの大きなイベントに参加しようとしているが、一番大事なものは家族であってバスケットボールではない。今回の事件でそれを改めて実感している」とコメント。「人種差別は世界の、そしてアメリカの一部分。アフリカ系アメリカンへのヘイトクライムはは毎日どこかで起こっている」とも語り、米国が抱える“病巣”について言及した。

 なお世界の注目を集めるファイナル第1戦は1日にウォリアーズの本拠地、オラクル・アリーナでティップオフ。戦前の予想では、2年ぶりの覇権奪回を狙うウォリアーズが前年覇者のキャバリアーズに対して優位に立っていると伝えられている。

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