「正々堂々、精進します」高安 口上も真っ向勝負

[ 2017年6月1日 05:30 ]

大関昇進伝達を終え稀勢の里が見守るなか笑顔で鯛を持ち上げる高安(手前右)
Photo By スポニチ

 日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・高安(27=田子ノ浦部屋)の大関昇進を満場一致で決めた。高安は都内のホテルで行われた昇進伝達式で「正々堂々、精進します」という口上に看板力士としての決意を込めた。平成生まれでは日本出身初となった大関は、00年春場所以来の4横綱3大関となる名古屋場所で初優勝を目指す。

 ついにつかんだ大関の座。「緊張した」という昇進伝達式を終えると高安の表情は穏やかになった。「込み上げるものがある。この世界に入って自分がこの場に立てるとは思っていなかった。本当に幸せ」と感慨に浸った。

 伝達式の口上は「大関の名に恥じぬよう、正々堂々、精進します」と述べた。「一生に一度なので、かまないように心がけた。自分の気持ちを正直に言えた」と満足げだ。「正々堂々」は三役で初めて勝ち越した昨年名古屋場所から意識してきた言葉。「態度が正しくて立派な様子」「公正で偽りなく、真正面から事を行うこと」などの意味があるように、どんな相手にも真っ向勝負で臨んで番付を上げた。くしくも同じ茨城県出身の武双山(現藤島親方)が大関昇進の際に使った言葉と重なった。

 最初の大関獲りに失敗した昨年九州場所は「守りに入って悔いが残った」という。そこから「攻める相撲をしようと取り組んできた」。大関は格下力士を迎え撃つ立場だが「名古屋でも攻める相撲を見せたい」と大関昇進につなげた攻めの姿勢は貫いていく。

 高安が考える大関像は「どんな状況でも顔色一つ変えずに胸を張っている」というもの。威厳を示しながら見据えるのは最高位の横綱だ。「上に上がるには優勝するしかない。それを目指していきたい」と早くも優勝という言葉も飛び出した。

 15日制以降の新大関優勝は、千代の山(49年秋)、若羽黒(59年九州)、清国(69年名古屋)、栃東(02年初)、白鵬(06年夏)の5人だけ。4横綱3大関の豪華番付になるからこそ、新大関場所から正々堂々と存在感を示していく。

続きを表示

2017年6月1日のニュース