桃田、涙の復活V!来年にも代表復帰 自費で国際大会エントリー

[ 2017年6月1日 05:44 ]

バドミントン 日本ランキングサーキット大会最終日 ( 2017年5月31日    さいたま市記念総合体育館 )

優勝を決め、涙を拭う桃田賢斗
Photo By 共同

 男子シングルス決勝が行われ、違法賭博問題による無期限の出場停止処分が解除されたバドミントン男子の桃田賢斗(22=NTT東日本)が、日本代表で世界ランキング53位の上田拓馬(28=日本ユニシス)をフルゲームの末、2―1で下して復帰初戦を優勝で飾った。今後は自費で国際大会に出場して世界ランキングのポイントを稼ぎ、全日本総合選手権(12月、東京)で上位に入れば、来年度の日本代表復帰が見えてくる。

 相手のロブがアウトとなるのを確認した桃田は、感極まってコートに崩れ落ちた。これまでの出来事が脳裏を去来する。約10秒もの間、立ち上がれなかった。「ここまで支えてくださった方と話した思い出だったり、全てが込み上げてきた。恩返しができた」。やんちゃだった男の頬を感謝の涙が伝った。

 完全Vという鮮烈な復活劇とはいかなかった。世界ランカー相手に、今大会初めて1ゲームを落とす苦戦。それでも「上田選手も上手で紙一重だった。きつかったが、プレーしていて楽しかった」。世界レベルの戦いができることが純粋にうれしかった。

 決勝戦は日本代表の朴柱奉(パクジュボン)監督も観戦した。朴監督は「フィジカルは準備できている。ただ、緊張から余裕はなかった」と印象を語った。代表復帰に向けては「この大会の結果で復帰というのは難しい」と早期の復帰は否定したが「これからまた頑張るぞ、という気持ちを感じた」と期待感を口にした。

 今後は7月の全日本実業団大会(秋田)への出場が濃厚。また、東京五輪に出場するためには世界ランキングを上げる必要があるが、桃田は全てのポイントを失った。そのため7月のカナダ・オープンと全米オープンに自費エントリー。本来、日本代表以外の選手の国際大会自費参加は前年の全日本総合選手権に登録した選手のみ申請できるが、特例で認められた。

 「目標はまだ先。気を引き締めて、今の気持ちを忘れずに戦いたい」。トレードマークだった茶髪やアクセサリーはやめた。まさに裸一貫となったエースが再スタートを誓った。

 ▽国際大会でのポイントシステム 世界選手権、五輪がカテゴリーの最上位に位置し、優勝の獲得ポイントが1万2000ポイントと最も高い。五輪出場は選考期間内に獲得したポイントをもとにした世界ランキングで決定。シングルスでは上位32人で原則各国1人のみ。16位以内に2人がいる場合は2人まで参加ができる。前回のリオ五輪では、4月14日付のランキングで桃田が7万4871ポイントで日本人トップの4位だったが、処分を受けポイントを喪失。選考期間が終わる時点でトップに立っていた佐々木翔(27位、3万8586ポイント)が繰り上がりで出場している。

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2017年6月1日のニュース