服部道子が語る藍の強さ 沖縄の強い風の中で身に付けた“ゆったりスイング”

[ 2017年5月27日 09:30 ]

宮里藍 今季限りで引退

1メートル55の小さな体でもクリーマー(左)ら外国人選手たちと渡り合った宮里藍
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 宮里藍の引退表明を受けて日本ツアーでともに戦い、交流もあった服部道子(48)が、1メートル55の小さな体で米ツアーで9勝を挙げ、世界ランキング1位まで上り詰めた強さの秘密を語った。

 宮里さんの最大の武器はショートゲームです。彼女がアマチュアのころから日本では何度も同組でラウンドしましたが、特にパットのうまさには驚かされました。

 時間をかけてラインを読んでタッチを合わせるのではなく、ラインを浅めに読んで強めにヒットするスタイルです。感性が鋭く難しいラインでも早めに決断し、構えるとちゅうちょなく打ちます。

 だから簡単に決めているように見えます。強めに打つから外れるとカップをオーバーするのですが、返しのパットもラインが分かっているので平然と決めます。精神力も強いのだと思います。ただ、ここ2、3年は1メートルくらいのショートパットに苦労しているように見えました。

 決して体格に恵まれているとは言えない宮里さんが世界ランキング1位になり、米ツアーで9勝できたのはショートゲームのうまさに加えクレバーさや、心の強さを備えていたからです。

 他の選手が飛ばすと、もっと飛ばしたいと考えてしまうものですが、自分の強みであるショットの正確性とコースマネジメントで逆に相手にプレッシャーをかけてきました。ここ一番の集中力も際立っていました。

 そして宮里さんのゴルフの芯になっているのが、ゆったりしたリズムのスイングです。彼女は風が強い沖縄育ち。風が強い中で、インパクトを強くすると余計なスピンがかかって距離感が合いません。だからあまりインパクトを強くしないで、風を利用するような打ち方を身に付けたのではないかと思います。

 彼女は歩く姿や立ち姿もバランスが良いし、リズムが常に一定で動きが本当に美しい。それがゆったりしたスイングにつながっています。そこに宮里さんの強さの源があるのだと思います。 (プロゴルファー)

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2017年5月27日のニュース