藍「今季限り」電撃表明 父・優さん「本人しか分からない」

[ 2017年5月27日 05:30 ]

復調気配の中、突然すぎる引退表明をした宮里藍
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 藍ちゃん電撃引退――。女子プロゴルファーの宮里藍(31=サントリー)が今季限りでの引退を決めた。29日に都内のホテルで会見する。マネジメント事務所が26日、発表した。宮里は宮城・東北高3年時にミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで優勝し一躍脚光を集め、06年から米ツアーに参戦。日本選手2位の9勝をマークした。ここ数年低迷していたが、最近は復調気配だっただけに突然の発表に衝撃が走った。

 驚きの発表だった。午後4時、報道各社に宮里のマネジメント事務所から、29日の引退会見の案内がFAXで送られた。文面には「引退のご報告を当日は、宮里藍本人の言葉でお伝えする所存です」と書かれていた。

 引退の理由や経緯は当日に説明するが、関係者によれば昨年のうちに決断。友人らにも伝えていた。ただ、多くのファンやスポンサーを持つスターゆえ決めるのは簡単ではなかった。東北高の後輩・原江里菜に「ゴルフに関して初めて自分で決めたことだから」と漏らしたように、悩み抜いた。複数のスポンサーにも報告済み。引退について父・優さん(70)は「ノーコメント」としながらも、「本人しか分からないこと」と話し、結婚などが理由ではないという。

 沖縄出身で長兄・聖志(40)、次兄・優作(36)もプロのゴルフ一家。レッスンプロの父、優さんの指導で力をつけてアマチュア時代から頭角を現した。03年ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで、アマチュアとして清元登子以来30年ぶりのツアー優勝を飾り史上初の高校生プロとなった。04年には年間5勝。愛らしいルックスと親しみやすい人柄で女子ゴルフ界に“藍ちゃんブーム”を巻き起こした。ゴルフ中継の視聴率が2桁となるなど人気を集めた。06年から米ツアーが主戦場。日本選手最多の岡本綾子の17勝に次ぐ通算9勝。10年には日本人で初の世界ランキング1位になった。

 引退を胸に臨んだ今季は今まで出場機会の少なかった縁のあるスポンサーや地域の大会に積極的に出ている。2月の米ツアー、ホンダLPGAはスポンサーの冠大会。その翌週は故郷の沖縄で日本ツアー開幕戦ダイキン・オーキッド・レディースに6年ぶりに参戦した。5月のワールド・サロンパス・カップ、中京テレビ・ブリヂストン・レディースはスポンサーに絡む試合。そして、引退発表後、最初の試合となる6月8日開幕のサントリー・レディース(兵庫)は所属先の冠大会。その後は米ツアーに戻るが、周囲への恩返しの気持ちが宮里をラストシーズンへと向かわせている。

 ◆宮里 藍(みやざと・あい)1985年(昭60)6月19日、沖縄県国頭郡東村生まれの31歳。父・優さんの指導で4歳からゴルフを始める。宮城・東北高3年の03年にミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで優勝し、同年プロ転向。06年から米ツアーに本格参戦。09年のエビアン・マスターズで米ツアー初優勝。10年には年間5勝を挙げ、世界ランキング1位に立った。日本ツアー通算15勝、米ツアー通算9勝。長兄・聖志、次兄・優作もプロゴルファー。1メートル55、52キロ。

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2017年5月27日のニュース