NBAサンダーのキャンターに“共謀罪”で逮捕状 母国トルコのエルドアン大統領が激怒?

[ 2017年5月27日 15:26 ]

サンダーのキャンター
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 NBAサンダーのセンター、エネス・キャンター(25歳)に対し、母国トルコの捜査当局が「扇動的なメッセージを流している」としてテロ集団のメンバーと断定。地元のデイリー・サバー紙は当局が逮捕状の請求に踏み切ったと報じた。

 キャンターはかねてからエルドアン大統領の政敵となっているギュレン師(米ペンシルベニア州在住)を支持。ギュレン派のボイス・リーダーとしてその注目が集まっていた。

 しかし同大統領が昨年に発生したクーデターを「ギュレン師が仕組んだ」と断定してからは微妙な立場となり、米スポーツ専門局のESPNによれば、前週にはルーマニアで「旅券が失効扱いになっている」として入国を拒否され、英国のロンドン経由で米国に戻っていた。この時も「エルドアン大統領は21世紀のヒトラーだ」とコメントしており、それが大統領の逆鱗(げきりん)に触れた可能性がある。

 キャンターは2011年のドラフトで全体3番目にジャズに指名されてNBA入り。今季はサンダーの控えセンターとして72試合に出場し、平均14・3得点、6・7リバウンドをマークしていた。一方、トルコ在住の父メメット氏らトルコにいる家族とはここ数年、絶縁状態。今後は米国籍の取得を希望している。

 スポーツ選手が政治的な発言で逮捕状を請求されるのは異例の事態。テロ行為の前に検挙できるいわゆる“共謀罪”を適用された形だが、米国やNBA側も難しい対応を迫られそうだ。

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